「絶対にダメ」なぜ月100時間超の長時間労働は繰り返されるのか

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お金についていろいろな話題をお伝えする、川部紀子のおかねカンケイ。

今回は、長時間労働についてのお話です。

 

関西の超人気洋菓子店が月に100時間超の長時間労働をさせていたというニュース、
ご存知の方も多いと思います。

 

ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子さんに、
長時間労働について詳しく伺いました。

 

どうぞ、最後までお付き合いください!










 

関西の超人気洋菓子店が行っていた長時間労働の実態

 

 

関西の超人気洋菓子店が、月に100時間超の
長時間労働をさせていたということは冒頭でもお伝えしましたが…

この洋菓子店は以前にも労働基準法違反で是正勧告を受けていた、という内容でした。

労働基準法違反というと重い言葉のように思えますが、
長時間労働に対しては昔よりもかなり厳しくなっています

昔は残業するのが当たり前という空気感はありましたが、
今では会社から「もう帰ってね」と言われるような感じになってきています。

 



半数以上が月に100時間超の時間外労働

 

 

 

ちなみにこの人気洋菓子店、どのくらいの長時間労働をさせていたかというと…

 

月に100時間超です。

 

この100時間超というのはかなり重要で、
過労死ラインとも呼ばれています。

 

月に100時間が残業ということですから、1ヶ月の労働日を20日として計算すると…

 

100時間÷20日=5時間。

 

つまり、1日に5時間残業ということになります。

例えば9時から18時の8時間労働の勤務をしている人の場合は、
朝9時から夜11時まで仕事ということに…。

これにはもちろん、昼休みの1時間を含みます。

夜11時までとなると…かなり長いですね。

しかもこの洋菓子店は3年間に2回、労働基準監督署から違反で是正勧告を受けています。
そして今回、2回是正勧告を受けているにも関わらず改善していなかったことが判明しました。

この洋菓子店には製造や販売の人、(社員)が100人ほどいます。
そのうちの55人が、100時間超の残業

 

半分以上の人が100時間超の残業をしていたということですね。

 

 



“やりがい搾取”が長時間労働の原因に

 

 

「確かに製造の方だったら職人さんってイメージもあってなんとなく想像できるけど…」

 

 

と思ったあなた!

 

 

その考え方、まだまだ甘いです。

 

 

 

“職人さんとかって長時間働いているイメージ”というのも気持ちはよくわかるのですが、
それ以前に100時間超の労働をさせてはいけないんです。

 

世界的に有名なパティシエがいる洋菓子店で修行したい!

 

そんな気持ちを利用して、長時間労働やサービス残業をさせる

 

それを、やりがい搾取といいます。

 

 

テレビでもよく聞く言葉ですよね。

 

いくらやる気がある従業員であっても、

 

「修行なので、やりたくてやりたくてやってるので、もう会社に電気代も払いますし
場所代(部屋代)払いますし、道具のレンタル代もはらいますからやらせてください!働かせてください!」

 

とまで言って残業している人は、ほとんどいない。

 

与えられた仕事が終わらない、というだけですからね。

 

そのため、やりがい搾取のブラック企業という認定になってしまうわけです。

 



そもそも残業は何時間までOK?

 

 

 

 

 

「100時間はだめでも、残業は全くだめではないよね?」

 

と、思った方もいらっしゃることでしょう。

 

ということで、ここからは労働時間の基本事項について簡単に説明していこうと思います。

まず1日8時間、週40時間の勤務は普通にOKです。
働きすぎにはなりません。

先程の9時から18時まで勤務している場合なら、週5日でちょうどいいですね。

これは普通の働き方ですが、労使協定を締結している場合はまた違ってきます。

 



36協定があっても残業できるのは月に45時間まで

 

 

 

 

 

 

 

36(サブロク)協定といわれている労使協定を締結すれば月45時間の残業が年に360日を上限に認められます

36協定を締結していれば、残業はOKです。

ちなみに、36協定は法律の36条に書いてあるため36(サブロク)協定という名前になっています。

会社と従業員の代表者が合意し取り決めた内容を書類にて労働時間などを締結して、
はんこを押し合い監督署に届け出をする。

 

これが協定です。

 

もちろん残業代を払う必要はありますが、
これを締結することによって残業ができることになります。

ですが、36協定で決められている残業時間は月に45時間まで
36協定があったとしても、月100時間の残業は絶対にありえません

絶対に、だめです。

ですが、例外もあります。
それは会社と従業員の代表が合意した場合です。

 

“特別中の特別”でも残業は月100時間未満

 

 

 

 

会社と従業員の代表が合意した場合、
特別中の特別という事態に限り年に6回まで
月100時間未満までなら残業をしてもいい
ことになっています。

ここで注意して欲しいのは特別中の特別の事態であっても、
残業させられるのは100時間未満

100時間を超えてしまうと、もう即アウトなんです。

残業が100時間を超えたら、過労死ラインですからね。

 



なぜ過労死ラインは”100時間”なのか

 

 

 

 

 

 

なぜ、100時間が過労死ラインといわれているのか。

 

それは、厚生労働省が発表しているデータが証明しています。

病気の発症前の1ヶ月におおむね100時間の時間外労働をしていて
脳や心臓の病気でなくなった方が、実は過労死だった
と認定されています。

実際にそういう残業をしていた方が過労死として認定されているわけですから、
長時間労働がいかに体に悪影響を及ぼすかがよくわかりますよね。

 

36協定と比べてこうやって数字をみてみると、
100時間の残業というのは相当な労働時間ですよね…。

 

みなさんも働き過ぎに気をつけつつ、
改めて働き方について考えてみるのもいいかもしれません。

 

 

 

 








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