「すっごい不思議」ホラン千秋も驚愕!なぜ塩を変えるだけで料理の味が引き立つのか

Pocket

みなさん、こんばんは。
愛原 夢音です♪

 

前回に引き続き、今回もソルトコーディネーターの青山志穂さんに塩の魅力について伺います。

 

今回は塩の味比べをしながら、調味料としての塩について深堀りしていこうと思います。
どうぞ、最後までお付き合いください。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 


 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Contents

地域によって違う塩

 

日本には塩をつくる方法がたくさんありますが、
その中でも特徴的なつくり方をしているものがあります。

 

日本は基本的に狭くて沿岸沿いが平らで広いところが少ないので、
最終的にかまで煮詰めて塩をつくるところが多いです。

その前段階、かまに入れる前に濃縮をする工程があります。
実はその濃縮のやり方が、とてもバラエティー豊かなんです!

 

その濃縮の方法についてお伝えする前に…

 

 

濃縮について簡単にご説明します。

 

 

まず、海水を10倍くらいに濃縮していくと塩の粒ができるのでそれを収穫していきます。
その前段階の粒ができあがってくるギリギリまで濃くしてから、かまで焚く。

 

これが、効率が良い塩のつくり方です。

 

なぜなら、同じ熱量で大量の塩が取れるから。

 

もともと3%だった海水を18%ぐらいまで濃くしてから焚くということなんですね。

 

いかにそこにコストをかけずに効率的に濃縮するか
それがとても大事になってきます。

 

 

その製塩技術がとても発達していることがよくわかるつくり方をこれからご紹介していきます。

 

 

 


 

 

 

 

 

石川県の伝統的な塩づくり「揚げ浜式塩田」

 

石川県では、揚げ浜式塩田という塩づくりの製法があります。

 

まず、野球のグラウンドのような広い砂地に海水を手作業で撒いていきます。
撒くと、そこにそのまま砂地に海水がしみ込んでいきますよね。

表面の部分は、砂に塩がくっついて太陽の力で乾いて結晶していきます。

それを本当に手作業で砂ごと集めて、その集めた砂をざるの上に置きます。

そこにまた海水をくんできてざるの上に置いた砂にかけます。
そうすると、砂についた塩が溶けてちょっと濃い塩水が下に落ちていきます。

それらを何度も繰り返していきます。

とても手間がかかるやり方なんですね。

青山志穂さんも実際に何回か体験したことがあるそうですが、その大変さを

 

 

THE苦行って感じですね。」

 

と、振り返ります。

 

 

この手間が、海水を濃くする要因になります。

 

その揚げ浜式塩田での塩のつくり方では、砂すなわち有機物が関与してくるので固定形の塩ができやすい
そのため、おいしいバターの後味のようなバター感のある塩ができあがります

日本では専売制度ができてから、塩のつくり方が制限されたので
各地域にあった伝統的な塩のつくり方は残念ながらなくなってしまいました。

しかし石川県の揚げ浜式塩田だけは文化財としての価値を認められ、
江戸時代から唯一続いている塩のつくり方があります

それが、日本で1軒だけ

塩をつくる際は、効率をあげるために濃縮させると先ほどお伝えしましたが
この揚げ浜式塩田だと効率は上がっていないように思いますよね?

トータルでいうと効率は上がってないかもしれないけれど、
まきを消費する量がすごく多くて、実はエコなんです。

最終的には焚いて濃縮していきます。

海水3%を30%までもっていくまきの量と、
18%に濃縮したものを30%にするまきの量って全然違いますよね?

そこに大きく関わってくるので、その前段階を頑張るということなんですね。

その製法は、日本のどこを探しても石川県にしかありません。
石川県は揚げ浜式塩田を文化として大事にしてるので、このやり方を採用している製塩所は現在10軒。

文化としてちゃんとつなげていこう

そんな熱い思いが感じられます。

 

その製塩所は能登半島のところに軒を連ねている、車でドライブすると楽しいですよ。

 

 


 

 

 

 

竹のタワーで塩ができる?

 

他にも、ユーモアな塩づくりの製法はあります。

 

その例として挙げられるのが、竹のタワーです。

 

竹の枝をタワーみたいにして、高さ10メートルくらいに組みます。
そこから海水をかけ流していきます。

竹のタワーに海水をかけるなんて、アイデア豊かですよね!

揚げ浜式塩田のように平面でやるより立体を使った方が、
今度風の力がより活用できるので乾きやすくなります。

それから2、3日かけて海水を濃縮したものを最後にかまでたくことが多いです。

 

 

「えっ?竹に海水をかけたら…塩は竹につくだけ?」

 

 

と、思いますよね?

 

 

実は、かけ流した海水は竹にはつかないんです。

 

 

ぽたぽたぽたと、竹を伝って下に落ちるまでの間に
太陽と風の力でどんどん濃くなっていくんです!

そしてまた、もう1度同じ海水をかけ流し続けて2、3日さらします。

その後、濃縮したものをかまで焚いていきます。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

地域でこんなに違う塩のつくりかた

 

 

全然違う製法でつくられている塩ですが、最終的にはかまなどで焚いて濃縮するという作業を行います。
その地域その地域で、「これがいいんじゃないか」と試行錯誤してその地域にあった塩づくりを模索していくわけです。

例えば、北海道。

北海道でももちろん塩はつくられているのですが、豪雪地帯なので
揚げ浜式塩田や竹のタワーというようなやり方はできません

なぜなら、それらの方法は基本的に外で行うからです。

豪雪地帯である北海道は、それができない。
そうすると、熱源はたくさん使うけれどもひたすら釜で煮るという製法にならざるを得なくなります

逆に沖縄は比較的温暖な地域なので、釜焚きではなく
太陽にさらしてそのまま結晶させる天日塩というやり方で塩をつくっています。

高知県も日照時間が長いので、天日塩を採用しています。
地域地域の環境によって製法が変わってくるところも、塩の面白さです。

食べるだけではなく、どうやってつくられているかを見に行く楽しさも塩の魅力。
一般公開している製塩所は結構あるので、ドライブがてら寄ってみると思いも寄らない楽しさと出会えるかもしれません。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

食塩相当量の数値で使う塩を決める

 

 

料理に塩をどう使っていいのかわからないという方もいらっしゃると思います。
そこで、ここからはどんな塩がどの食材に合うのかわかりやすくご説明していきます。

 

まずは、いただきものなどで家にある塩を確認してみてください!
もちろん、現在使っている塩でもかまいません。

塩と一口に言っても、しょっぱさが強いか弱いかで合う食材や料理がかなり変わってきます

次に、パッケージの裏に書かれてある食塩相当量の数値を確認してください。
食塩相当量はナトリウムの量なので、その数値が高ければ高いほどしょっぱいです。

低ければ低いほどまろやかになります。

詳しくは後述します。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

しょっぱい塩かまろやかな塩かは食塩相当量でわかる!その目安とは?

 

 

 

みなさんは、しょっぱい塩とまろやかな塩の目安ってご存じですか?

 

 

 

食塩相当量が92~95だと適度なしょっぱさで、いわゆるバランスタイプの真ん中。
それ以上になるとしょっぱみが強い、しょっぱい塩になります。

80以下は、とてもまろやかな塩
80~85でもまろやかな味になります。

これらを目安に見積もっておくといいですね。

 

「見たことなかった、そんな数字」

 

と、ホラン千秋さん。

 

 

そう思った方も、私だけではないはず…。

 

パッケージの裏はいろいろな情報が満載なので、ぜひチェックするようにしてくださいね。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

しょっぱい塩とまろやかな塩はどんな料理に合う?

 

しょっぱい塩とまろやかな塩の目安がわかったところで、
今度はしょっぱい塩とまろやかな塩がどんな料理、食材に合うのかみていきましょう。

 

サーロインステーキなど味がとても強いものには塩気が強い塩
逆に野菜など繊細なものは食塩相当量の低い、まろやかな塩が合いやすいです。

魚に関していうと、日本海でつくった塩は海風の香りが残る「磯っぽい」塩が多いです。
なので、魚によく合います。

そして、前回ご紹介した藻塩。
これは海藻のエキスの入った塩なので、魚と相性バッチリです。

魚でもたんぱくなものもあれば、結構脂がのっているものもありますよね。

あぶらの多い、少ないはチェックしておきましょう。

あぶらののっている魚は、しょっぱさが強い塩の方が受け止めてくれます。

マグロも、厳密にいうと大トロに合う塩と赤身に合う塩は全くタイプが違います。
なので、食材によって塩を変えると面白いですよ。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

塩を変えるだけでこんなに違う!ホラン千秋が違いを体験!

 

 

ここまでいろいろな塩についてお伝えしてきましたが、塩を変えるだけで実際はどのような違いがあるのか
ホラン千秋さんが試食してみることに。

野菜スティックに塩をつけていただきます。

用意した野菜はきゅうり。

塩によってどれだけ味が違うのかを体感するために、今回は大分県の鶴見のいそ塩と
石川県の揚げ浜式塩田でつくられている大谷塩の2つを用意

 

さて、この2つの塩にはどのような違いがあるのでしょうか?

 

 

まずは、鶴見のいそ塩です。

 

 

 

「…あっ、結構今つけたんですけど。塩気もあるけど甘みがありますね。」

 

 

と、ホラン千秋さん。

 

 

まろやかタイプの鶴見のいそ塩によって、きゅうりの中の甘みが今、まさに引き立っている状態なんですね。

 

 

「きゅうりの甘みが自然な甘みになって引き立ってるんですね、すごい!」

 

 

と、驚くホラン千秋さん。

 

 

”これが、塩を選ぶと面白いところ。”

 

そう、青山志穂さんはいいます。

 

 

 

それでは、なぜ鶴見のいそ塩は甘く感じるのでしょうか?

 

 

 

それは、鶴見のいそ塩自体が海水の成分を比較的残してつくっているからです。

 

ナトリウムの構成比が低く、塩そのものがかなりまろやかで塩の中では甘い塩になっています。

その甘い塩がきゅうりと合わさることによって、きゅうりの中にほんの少しある甘みと
同化して相乗効果で甘みが引き立っている
状態なんです。

 

続いて、いただくのが焼き塩。

石川県の揚げ浜式塩田でつくった塩を最終的に焼いてサラサラに仕上げたのが、大谷塩です。

揚げ浜式塩田は、先ほどもお伝えした通り大変な手間暇と時間と努力がつまった結晶でできています。
そんな大谷塩はどんな味がするのでしょうか?

 

 

一口きゅうりをほおばったホラン千秋さん、

 

 

 

「…うわっ、全然違う!!」

 

 

 

と、思わず声を上げました。

 

 

 

 

「こっちの方がちょっとシャープな感じはしますけど、さっきよりも。
シャープなんだけど、角はないんですよ。不思議じゃない?」

 

 

 

と、ホラン千秋さん。

 

 

 

この大谷塩は単体で食べると、おいしい有塩バターのような後味があります。

全体的に少し油が足されたような味。

そのため、きゅうりの爽やかさは少し減ります

 

 

「これ、すっごい不思議!」

 

 

 

と、驚きっぱなしのホラン千秋さん。

 

 

同じきゅうりでも、塩を変えるだけでこんなに変わるんですね!

 

鶴見のいそ塩は先に甘みがきて、焼き塩(大谷塩)は先に塩気がきます。

 

ゆっくり食べて咀嚼していくうちに口の中で味が変わるのも、塩の魅力です。

 

「最初に甘みが来た、大根の水分を感じて、あっ、こんな塩で食べるとこういうおいしさなんだ、
大谷塩で食べると最初ガツンとくるな、でも消えたあと甘みがグッと引き立つ、とかジューシーな感じがするなとか。

っていうのが、同じ大根で楽しめるっていう。

やるのは塩を変えるだけ、っていうすごいお手軽さもあるので。」

 

と、青山志穂さん。

 

 

今回はきゅうりでしたが、大根でもまた違う変化が起きたりするのでみなさんもぜひ
やってみてください!

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

ソルトコーディネーター青山志穂がオススメする塩の楽しみ方

 

ソルトコーディネーターの青山志穂さんに、塩のオススメの塩の楽しみ方について伺いました。

 

今回いくつか塩をご紹介しましたが、青山さんがオススメする塩の楽しみ方は…

 

頂き物などでで家にある塩を一旦全部集合させて、トマトでも肉でも何でもいいので
好きな食材をシンプルに調理をして、その調理した食材を家にある塩で
つけかけして食べ比べてみること。

”これが第1歩”と青山志穂さんはいいます。

 

 

そうすると合う塩か合わない塩かがわかります。

 

 

 

「塩によって味が変わるので、これで食べるとまずいとかもあったりしながら
わちゃわちゃやるのが、1番楽しいと思います。」

 

 

と、青山志穂さん。

 

 

みなさんも、料理の味を最大限に引き出す塩をいろいろと試してみてはいかがでしょうか?

 

 

「青山さんのインスタグラムがすごい!」

 

と、驚いていたホラン千秋さん。

 

ぜひ青山志穂さんのインスタグラムもみなさん、チェックしてみてください!

 

 

 

 

 

 

 


 

 


 

 

 

 

 

 

 

この記事をSNSでシェア!

おすすめ記事

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。