高級食材ホワイトアスパラはなぜ平成になるまで缶詰で売られていた?

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みなさん、こんばんは。愛原夢音です♪
美味しいトークエッセイをお届けしていきます。

 

 










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五月晴れは五月の晴れた日のことではない

 

 

 

5月に入って、いよいよ北海道も夏へのカウントダウンがスタート。

スッキリと青い空が広がっている日には外に出て、思い切り伸びをしながら

 

「ん〜気持ちいい!五月晴れ!」

 

なんて、言いたくなりますよね。

 

ところが、この五月晴れって5月の晴れた日のことを言うんじゃないってご存知でしたか?

 

小春日和が春ではなく冬の暖かい日のことと同じように、
五月晴れも実は6月の梅雨のシーズンに入った頃、
降り続く雨の合間にふと現れた晴れ間
のことをいうんです。

 

長い梅雨が明けた直後に広がる青空を、そう呼ぶこともあります。

今の6月が旧暦では5月だったために梅雨のシーズンも旧暦では5月
そのため、梅雨の晴れ間が5月の晴れと書いて五月晴れと呼ばれているのです。

なんとなくカラッと晴れた感じを連想しますが、梅雨の最中ですから
本当はちょっと湿度の高い晴れ方を想像するのが正しいのでしょう。

ですが、最近では5月の晴れた日という意味で五月晴れを使う人も増えていますから
将来的にはそういう意味で定着してしまうかもしれません。

 

 

 



ドイツのアスパラ「シュパーゲル」は6月末までの期間限定?

 

 

 

毎年、この時期になると「今年も入荷しました」というお知らせが
馴染みのレストランから届くという方も多いのではないでしょうか?

そう、4月下旬から5月は美味しいアスパラガスの季節ですよね。

外側はパリッとしていて、中はみずみずしくジューシーなグリーンアスパラ。
生ではサクッとして、火を通せばとろりと甘くなるホワイトアスパラ。

どちらも栄養と美味しさがたっぷり

特に北海道は全国的にも有名な産地ですし、この季節以外に食べられるアスパラも
十分美味しいのですが、「入荷しました」の文字をみるとワクワクしてしまうのは
春の終わり、夏の到来を実感するというお祭り気分めいた感覚もある気がします。

ヨーロッパのドイツでは、まさに季節行事としてアスパラが楽しまれていて、
毎年シュパーゲルと呼ばれるホワイトアスパラが解禁される
4月の中旬をみんな、今か今かと待ち望んでいます。

代表的な調理法はゆでること。

バターと卵黄でつくるオレンジ色のオランデーズソースをかけて食べるのがおすすめです。

ドイツの街のスーパーや市場には、この時期ともなると何十本も束ねた状態で
山積みにされて売られていて、しかもそれが売り切れになる日も多いのです。

なぜなら、このシュパーゲルが販売されるのは6月24日までと決められていて、
それ以後は食べられなくなるため余計にみんな待ち遠しく、全力でこの時を楽しむんですね。

ちなみにアスパラガスが生まれたのはヨーロッパで、なんと古代ギリシャ、
ローマ時代から料理に用いられていた
のだそう。

有名なエピソードでは、フランスの王様ルイ14世が大のアスパラ好きで
いつでも好きなだけ食べられるようにと、ベルサイユ宮殿の敷地内にある菜園で
常に何千本ものアスパラを栽培させていた
と伝えられています。

なんと、季節外れの冬にも食べられるようにしていたといいますから、
栽培を担当していた人たちの苦労がしのばれますね。

そんなルイ14世は、愛を込めてアスパラを”マドモアゼルの指先”と呼んでいたそうです。

 

 



アスパラガスの発祥の地は北海道の岩内町

 

 

 

 

噛むほどにジュワーッとみずみずしい美味しさが口の中に広がる、春のアスパラガス。

特に生のホワイトアスパラは、フレンチをはじめ最近は和食レストランなどでも
季節の一品として提供されていますが、50代以上の人なら

 

「白いアスパラって昔は缶詰しかなかったよね」

 

なんて、思い出す人も多いのではないでしょうか。

 

日本で今のように一般的に生のホワイトアスパラが出回るようになったのは
平成に入った頃からで、昭和の頃には生のアスパラといえばグリーンが普通

白いアスパラは缶詰を指すものでした。

その白いアスパラを日本に最初に広めた、
日本におけるアスパラ発祥の地は実は北海道の岩内町
なんです。

岩内の薬学博士、下田喜久三さんがヨーロッパで見た白いアスパラに着目。

1922年に岩内で大規模な栽培実験をはじめたのが最初でした。

2年後には缶詰会社を立ち上げ、
白いアスパラを缶詰にして全国で販売。

やがては海外でも販売するまでになりました。

しかし、ホワイトアスパラは日に当たらないよう土を高く盛って育てたり、
早朝や夕方に集中して収穫したりと手間がかかるため、
やがて栽培と収穫が楽なグリーンアスパラが主流に。

高級食材としてのホワイトアスパラブームが起きるまで、
長年白いアスパラは缶詰でしか売られなくなっていた
んです。

 

ところで、アスパラが収穫されずにそのまま育つとどんな姿になるか見たことはありますか?

 

太陽の光をいっぱい浴びたアスパラはきれいな緑色に育ち、
たくさんの細い枝を伸ばして繊細な葉をしげらせていきます。

ふんわりとしげった葉が、そよ風に揺れながら太陽の光を受けて光合成を繰り返し
その根本に滋養たっぷりの新たなアスパラを育てる。

そんな栽培法も、実際に美唄市などで行われています。

美味しくて栄養があって、血圧を下げる効果があるといわれるアルギン酸も豊富なアスパラ
旬のうちにたっぷり食べて、夏の暑さにも病気にも負けない体を目指したいですね。

 

 

 

 



札幌の象徴ライラックが与えるリラックス効果

 

 

 

5月の半ばともなると、札幌の街の中心部にはかすかな甘い香りが漂いはじめます。

これは、大通公園と創成川沿いに植えられたライラックが放つ香り。

大通公園だけで約400本も植えられており、ふらりと散策すれば
両サイドに房状になってたわわに咲き誇る薄紫色の花たちを楽しむことができます。

 

9割は薄紫色の品種ですが、中には可愛らしい白やピンクの品種も混ざっています。

そんなライラックは、札幌を象徴する札幌市の木
人口が50万人を超えた1960年に市民投票によって決められました。

フランスではリラと呼ばれ、一つ一つの花がハート型をしていることから
愛や青春を象徴する花
とされているのだそう。

札幌のある女性俳人は自分の俳句にリラ冷えという造語を使い、
それを気に入った小説家、渡辺淳一が札幌を舞台にした作品に
「リラ冷えの街」というタイトルをつけました。

ライラックの咲く5月下旬から6月頃に急に冷え込む日があることから、
桜の季節に急に冷え込むことをいう花冷えをもじった言葉なのだそうです。

リラ冷えは今でも5月の風物詩的に使われています

ちなみに、ライラックの香りには気持ちを整える作用があり
落ち込んでいる人の気持ちは晴れやかに、高ぶっている人の気持ちはリラックスに。

いずれにせよ、落ち着いた幸せな気分に導いてくれるのだそうです。

5月病という症状も出る時期ですし、コロナのストレスもありますし。

疲れたな、しんどいなと思ったときは大通公園のベンチで一休みして
漂うライラックの香りを感じ、深呼吸してみてはいかがでしょうか?

 












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