「地上と地下の立体都市」札幌市民も気づかない地下歩行空間の”秘密”とは

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みなさん、こんばんは。
愛原 夢音です♪

 

今、世界から注目される北海道。

この番組では北海道が世界に誇る自然・文化・産業などをピックアップ。
北海道の持つ魅力や可能性をゲストの方に伺います。

 

今回のテーマは、札幌都心部の地下通路

Apiaなど札幌駅周辺の地下街、大通公園周辺のオーロラタウン、ポールタウン。
そして札幌駅と大通駅を結ぶチカホと発展を続ける札幌都心部の地下空間。

普段利用している人にとっては当たり前になっている地下街の風景ですが、
国内最長の地下直線通路など、道外の地下空間とは違う特徴を備えています。

今回は、前回に引き続き札幌駅前通りまちづくり株式会社統括マネージャー
内川亜紀さんに札幌都心部の地下通路の魅力について伺いました。

 

今日のお話のポイントは、「高低差」です。

 

どうぞ、最後までお付き合いください!

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

札幌駅前通り地下歩行空間 チ・カ・ホはなぜできた?

 

 

札幌駅前通り地下歩行空間、愛称「チ・カ・ホ」ですが
このチ・カ・ホを作った理由は何だったのでしょうか?

もともと商業の街だった大通地区ですが、2003年に大丸、ステラプレイス、JR Tower ができて
札幌駅前がとても栄えるようになりました。

大通駅の地区と札幌駅前の地区を地下歩道でつなぐことで、冬場でも歩いて回れるという回遊性を高めて
安全に快適に歩ける空間をつくろう
ということで地下歩行空間は整備されました。

すすきのまで突き抜けた歩道をつくることになったものの、それには税金が使われます。
いろいろなワークショップを開き市民の意見を聞いて整備されたのが、今のチカホです。

このとき行われたワークショップの1つに、「1000人ワークショップ」というものがあります。

「1000人ワークショップ」の1000人という数字は、
参加者も含めてワークショップに関わった人の数。

チカホをつくるときにどういう課題があるのかどんな施設があったらいいか
札幌市民に意見を聞いたこのワークショップを意見をもとにチカホは整備されました。

実際にチカホを歩いてみるとわかりますが、結構長いです。

あれだけの長さの通路をつくるとなったら、
どうなるのか誰にも想像がつかないわけですからね。

地下鉄南北線ができた当時、駅前通り地区は銀行などはありましたが
商業を営んでる方があまりいませんでした。

大通公園から南側はオーロラタウンやポールタウンといった商業のエリアができた一方、
駅前通りや大通公園から北側はなかなか商業エリアを広げることが難しい状況
だったんです。

そのため、地下鉄南北線をつくるときに1回掘った地下を埋めました。

地下にも商店街を、イベントができる場所をつくろう。
そんな議論ができるまで、当時埋められたエリアの開発は持ち越すことになったんですね。

 

それが、今のチカホというわけです。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

チ・カ・ホの1日の通行量は?

 

 

チカホの1日あたりの歩行者、通行量はどのくらいになるか、みなさんわかりますか?

 

 

夏場の通行量は、コロナ前の2019年で約6万人

2022年2月時点では1日平均13万人の人がチカホを歩いています。

当初算定していた通行量の4万人をはるかに超えたチカホの通行量

ものすごい勢いで歩いている方が増えています。
まさかこんなに地下を歩く人が増えるとは、予想もしていなかったことでしょう。

特に冬は、寒いし雪が降っているからチカホを歩こうという方も多いですよね。

東京から出張に来た方が、冬の札幌を初めて見て
「札幌って意外と人が少ないな~」と思ってチカホに下りてみたら。

 

「みんなここにいたんだ!」

 

と驚いたという話も耳にします。

 

羽田空港から札幌のチカホまでは、雪や雨に濡れずに来ることができる
そんな利便性もあります。

 

札幌でも大雪になることもありますから、雪や雨に濡れることなく
目的地につけるのはすごいいいですよね。

地上と地下の立体都市」、チカホ。
これからもますます発展していきそうです。

 


 

 

 

 

地下歩行空間は広場?それとも道路?

 

 

 

ところでみなさん、地下歩行空間は広場だと思いますか?
それとも、道路だと思いますか?

 

 

正解は…

 

 

地下歩行空間は、道路でもあり広場でもある

 

つまり、両方です。

 

ただ単純に通れる通路をつくるのではなく、両サイドで賑わいがあってほしい
それが、札幌市民の意見でした。

その意見をもとに、”イベントができるような広場をつくろう”ということで、
ルール的に定められています。

つくられているときから、イベントがやれたらいいなというかねてからの希望があったわけなんですね。

ただ歩いているだけではなく、見て歩けるような商店街みたいなものがあったらいいのではないか。
札幌市民のアイデアが形になった地下歩行空間は、想定された通行量をはるかに超えた憩いの場所となっています。

 

 


 

 

 

 

イベントが頻繁に行われる場所になるとは想像していなかった?

 

 

 

ある程度の通行量を確保できると見込んでつくられた地下歩行空間ですが、
ここまで頻繁にイベントが行われる場所になるとは内川さんも想像すらしていませんでした。

地下歩行空間がオープンした日はくしくも、東日本大震災の日。
それもあってか、最初の半年間はイベントを控えるような状況が続いていました。

それから半年が経ったころ、主婦の方がつくったハンドメイド雑貨やアクセサリーを
通路上で販売してみたい
という問い合わせを多くいただくように。

しだいにそういった方々がどんどん増えていきました。
コロナ前は、年間90%ほどのお店が稼働しているという状況でした。

お店やイベントが何もない日に地下歩行空間を通ると、人の少なさに驚かされます。

月に1回だけ、イベントやお店がやってない日があるのですが、
その日は地下歩行空間の幅がとても広がったように感じられます。

普段は歩ける幅が12m分なのに対し、
イベントやお店などが何もやっていない日は約20m分まで拡幅されています。

何もない日に歩くと、

 

「あれ?こんなにがらんとしてたっけ?」

 

 

と、寂しさすら感じることも…。

 

今は札幌の大きな会場を使ってハンドメイド作家のイベントが頻繁に行われています。

最初は個人でお店を出していたのが、だんだんとグループをつくって、
自分たちでいろいろな企画をするように。

 

「その方々が活躍できるような場所がいろんなところで増えてきている。とても嬉しいことだなと思います。」

 

と、内川さん。

 

札幌や北海道のいろんな作家が育つお手伝いを、チカホもしていたわけですね。

 

 

 


 

 

 

 

チ・カ・ホができて変わったことは?

 

 

チカホができて変わったこと、それは通行量利便性です。

 

まず、通行量。

 

もともとチカホができる前、札幌の地上(駅前通り)では約3万人が歩いていました。

それが、チカホができてからは地上、地下合わせて9万人が歩くことに
それだけたくさんの人が歩くようになりました。

 

次に、利便性です。

 

冬場に安全に歩けるような空間ができた
これは、通行量が増えた大きな要因でもあります。

最近だと、チカホの周りのビルがどんどん建て替えられてきています。
そして、それらのビルに地下からスムーズに入れるようなしつらえになっているので利便性も大いに向上しました。

上の通路に出るだけではなく直接お店に入れるところが、チカホができた当時に比べて増えました
そういう意味でも、楽しみ方も増えているというわけですね。

 

 


 

 

 

 

 

災害時にチ・カ・ホが果たす役割

 

 

チカホは、災害時に避難を受け入れる一時滞在施設になっています。

実際、2018年の9月の胆振東部地震のときには一時滞在施設として開設しています。
その時受け入れた人数は、3日間で350人

地下歩行空間は基本的に朝の5時45分から夜中の12時30分までしか開放していないのですが、
一時滞在スペースとして開設しているときは24時間開けているような状況でした。

携帯の充電のために訪れる方が多かったようです。
いざというときのためにも、チカホを使ってくださいということなんですね。

チカホの電気は、地震の影響ですべて点灯していません。
電気の供給がなかなか難しいということもあって節電を続けていましたが、すべての電気がやっと復旧。

しかし、2018年の胆振東部地震の際にブラックアウトで札幌市も停電するなど復旧に時間がかかりました。
そのため、今も全ての電灯をつけずに節電しているんです。

全部つけない状態でも十分明るいチカホですが、チカホや地下鉄駅、オーロラタウンなど、
場所によって明るさが違うため戸惑う市民の方もいらっしゃるそうです。

ちなみに、「探偵はbarにいる」の1作目で開業前のチカホがチラッと映っています。
開業前なのに、とても明るいです。

 

「あっ、ここから出てきたんだ」
「ここから出てくるとチカホにつながってるんだ」

 

 

と、背景に注目して見るととても面白いと思います。

 

みなさんも機会があればぜひ、その点に注目してみてください!

 

 


 

 

 

 

 

札幌市民も気づかないチ・カ・ホの「高低差」

 

 

 

 

チカホに高低差があるって、みなさん知ってましたか?

 

実はすすきのから、どんどんどんどん下がってきています。
大通側の出入り口の天井の高さと札幌駅側の出入り口の天井の高さがだいぶ違うんです。

 

これは初耳!

 

内川さんによると、ビー玉を転がすと途中でころころころころ転がっていくのだそう。
気づかない程度で、緩やかに坂になっているそうですよ。

ビルにつながっているところも地下の1階とチカホとで高さが違うところでは、階段でつながっています。

わかりやすい例が、日本生命札幌ビル。
日本生命札幌ビルの前の休憩スペースは、少しだけ段になっています

ビルのフロアと地下の高さが合っていなかったので、段差で解消させています。

逆に、これから新しくできてチカホとつながるビルは道が平らになっていきます。
そういうのを見ていたら、このビルがいつ頃できたかがわかりそうですね。

高低差は気にしたことがなかったので、次に歩くときには天井の高さに注目してみたいと思います。

みなさんも、チカホを通るときはその点を注目して見てください!
でも、歩くときはよそ見をして転んだりぶつかったりしなうように気をつけましょうね。

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2回に渡ってお伝えしてきた札幌都心の地下通路。
いかがでしたか?

 

 

今回のポイントは「高低差」でした。

チカホに高低差があることや天井の高さに違いがあること、
札幌市民の私も全然意識して歩いたことがありませんでした。

建物ごとに入口の高さが違うというのも納得です。
次に歩くときは早速、そこに注目してみたいと思います。

 

 






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