なぜニセコは日本を代表する観光地へと発展したのか

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みなさん、こんばんは。
愛原 夢音です♪

今回は、世界のあこがれ〜北海道ブランド〜から。

ゲストは、前回に引き続き北海道大学政策大学院
客員教授の小磯修二さんです。

去年の11月に出版された地方を活性化させるヒントが詰まった
小磯修二さんの著書「地方の論理」から、
北海道ブランドへの提言をしていただきます。

今回のポイントは、地球儀

北海道ブランドと、どんな関係があるのでしょうか?
みなさんも一緒に考えてみてくださいね。

 

”北方圏構想”がもたらす経済活性化のチャンス

 

 

小磯修二さんが初めて地方の政策に携わったのは、1970年代の前半。
その頃持ち上がった政策に”北方圏構想“があります。

この北方圏構想は、1970年代に北海道の
総合開発計画によって提起されたものです。

「地方の論理」にも記述されていることなのですが、
全てが東京中心で日本の中央から発信されるという
情報だけで考える時代では、すでになくなってきています。

つまり、座標軸の中心部を東京ではなく
北海道に置いて世界を見てみる
ということです。

そうすると、見えるものが変わってきます

座標軸の中心を東京ではなく北海道に置いて考えるという
政策の発想は、北海道では昔からありました。

それが、先に述べた北方圏構想というわけです。

 

座標軸の中心を東京から北海道へ

 

 

座標軸の中心を北海道に置いて世界を見てみると、どうなるか。

 

まず、地球という大きなくくりで見てみます。

 

地球には北半球と南半球がありますが、
実は人口の9割近くは北半球なんです。

北半球には、ヨーロッパ、アメリカ、アジアなどの地域があります。
これらの国々と交流するときには、北にある方が近いわけです。

次に、日本を見てみましょう。

北半球の国々からすると、日本の中心地である東京は南に位置しています。

一方で、北海道は北にあります。

要するに、南に位置する東京よりも北にある北海道の方が
アジアにもヨーロッパにもアメリカにも近い
ということです。

北に位置しているという北海道の有利な状況を活用するという
視点での取り組みが、この北方圏構想です。

日本地図ではなく、地球儀の目で見ていくということなんですね。

さらに、北方圏構想による交流も北海道は積極的に行っています。

たとえば、札幌の場合。

札幌は北緯43度なので、同じ緯度にある世界の国々と
直接北海道が交流することもあります。

東京を経由することなく、です。

同じ緯度にある世界の国々と交流するので、
独自の積雪・寒冷などの似通った気候や文化に共通性があります。

北欧やカナダ、中国の東北部などの地域にも
北海道と共通したところがあります。

それぞれの国と、地方と地方が直接手を結ぶ

そうした交流によって、いろいろな地域づくりや
経済活性化のノウハウを互いに学び合うことができます

そういう発想の取り組み方が、北海道にとっても
他の地域にとっても大切になっていきます。

似たような環境のところがあるからこそ共感するものもあるし、
学び合える
ということです。

それ以上に、中央を通すよりも距離が近い

その例が、フィンレアというンランドの航空会社が
新千歳空港と直接航路を結ぶ
ようになったというケース。

フィンランドと新千歳空港では、9時間30分もかかりません。

ところが、東京とヨーロッパを航路で結ぶと
12時間もかかってしまいます。

かなり時間がかかりますよね。
一日の半分を飛行機で過ごすことになってしまいます。

そうなると、北海道から直接結ぶ方が非常に近いというわけです。

航路を結ぶ動きは、飛行機だけではありません。
海上の航路も直接結べるような取り組みもでてきています。

このような交流が行われるようになると、
北海道の地理的な優位性を発揮することができます。

これは、経済活性化にとっても最大のチャンスとなり得ます。

北海道にとって伝統のある北方圏構想という政策を、
改めて次の時代に繋げていくことが大事になっていきます。

 

なぜニセコは日本を代表する観光地になったのか

 

 

みなさんは、ニセコに行ったことはありますか?

みなさんご存知の通り、ニセコはすっかり海外からの
人気の場所となって久しいですが…

なぜニセコは、ここまで海外から人気の場所になったのでしょうか?

それは、ニセコが持つ資源にあります。

もともとニセコ地域が持っているパウダースノーという
スキー場の資源にオーストラリアの方々が魅力を感じで集まってきました。

ですが、ニセコ地域がこれだけ発展してきた背景は
それだけではありません。

大規模な投資や開発がなければ、
ニセコ地域はこれほど発展はしなかった
でしょう。

海外から非常に本格的な投資がニセコ地域に
生まれてきたことが、何より大きいです。

ただ、海外からの投資に関しては、当初
“乱開発につながるのでは”という懸念が多くありました

ですが、そんな心配をよそにニセコはぐんぐん成長。

現在のニセコ地域の観光商品はこの10年で約2倍に。

北海道の観光商品の伸びは1.1~2倍ほどですから、
いかに飛躍的に伸びているかがよくわかりますよね。

観光商品がニセコ地域の活性化につながっています。

 

観光で経済活性化を促進するために必要な2つのこと

 

 

観光で経済を活性化させるために大事なことは、
外からの観光客がその地域にもたらす消費です。

この消費はどこで生まれるのかというと、
ホテルや旅館などの宿泊施設。

長くその地域に滞在して宿泊してもらえるかが重要になります。

宿泊するためのインフラは、民間企業が全て担っています。

民間投資によって、ホテルやコンドミニアムが
整備されなければ観光の発展はありません。

そこでニセコ地域は、海外から高いブランド力のホテルや
コンドミニアムに集中的に投資するように。

それが踏襲された結果、素晴らしいインフラを生みました。

質の高いホテルやコンドミニアムができたことで、
多くの国内外の観光客がそこに滞在。

そこから、消費が生まれます。

そしてまた、魅力的になったニセコ地域に投資がどんどん入ってくる。

観光消費と、それを支える観光投資がうまく循環しながら
進んでいるのがニセコ地域です。

ただ、どこまで開発していけばいいのかという許容量に関しては、
なかなか難しいところがあります。

これからの北海道を考えていく上での観光地を
つくりあげていく1つのモデルが、ニセコ地域というわけです。

 

中央アジア経済協力プロジェクトで直面する課題

 

 

ここからは、中央アジア経済協力プロジェクトについて
書いていきたいと思います。

小磯修二さんは中央アジアで、
経済協力プロジェクトに携わったことがあります。

地方を活性化させるために模索をしている国は、
世界中にあります。

今まで北海道で経験したことを、
他の国々のこれからの開発や発展に生かしたい

そんな思いで、小磯修二さんは国際協力プロジェクトに参加しています。

小磯修二さんは、中央アジア地域の開発面での
協力活動
を長くしてこられました。

中央アジア地域は貧しい国が多いですが、その理由は
世界二大大陸の1つであるソ連が崩壊してしまったためなんです。

社会主義経済から資本主義経済へ移行する難しい局面の中で
国が混乱し、非常に貧しい状態になってしまったんですね。

その支援の手伝いを、小磯修二さんは行っています。

中央アジア地域は、旧ソ連時代に社会主義国家の
もとでの計画経済に慣れ親しんだ国々です。

それをうまく展開していくような国際協力を行っています。

 

 

「海に面していない」 立ちはだかる大きな壁をどう乗り越えるか

 

 

中央アジア地域には、周りに海がありません

たとえば、ウズベキスタン。
ウズベキスタンやその周辺の国々は、海に面していません。

これは、国の経済発展を考える上で大きなハンディとなってしまいます。

国の経済発展を支えるためには、自分たちの持っている資源を輸出し
ないものは他国から輸入しなくてはなりません。

そのためには、港が必要です。

それがないとなると、”海に面していない”大きなハンディを
どのように克服していくか
がとても大きなテーマになってきます。

これは、非常に難しい問題です。

中央アジアの問題として、挙げられるのが「アラル海の悲劇」。

このアラル海は、とても大きな湖でした。

 

ところが…

 

今は湖の水が枯渇してしまっていて、
ほとんど陸地になっている
という状態。

アラル海が枯渇しているという環境問題を
どのように支援するかということも、大きな課題の1つとなっています。

ただ単に環境を戻すだけではなく、アラル海地域で
昔培われた産業の伝統や経験を活かしながら
努力を進めていく手伝いを、小磯修二さんは今も続けています。

小磯修二さんは、実際に中央アジアの国々に足を運んで
現地の方々と交流してきました。

国際協力をする中で、途上国の方々や中央アジアの方々と
話をする中で彼らには1つの共通点があることに気づきました。

それは現在の北海道の政策だけではなく、
明治時代に近代国家を目指して開拓をしてきた頃に
どんな苦労があって、どういう政策が有効だったのか

興味があるということ。

それを知ることで、彼らのモチベーションを高めることに
繋がることが多くありました。

農業開発は、自分一人で行うには限界があります

そのときに、国がしっかりと先行的な整備を行っていく。

それからそこに入植していくというスタイルがあれば、
北海道のニセコのように地域が発展していくという経験があります。

国際協力はなかなか難しいところもありますが、
成功事例の通りに行うような援助はほとんどありません。

一緒に悩みながら、その国や地域にあった政策を
考えていくということなんですね。

こういう経験を伝えていけば参考になる、役に立つという
お互い学び合うような姿勢で臨んでいくことがとても大事です。

 

今回のポイントは、地球儀。

視点を日本地図のレベルではなく世界地図、地球儀レベルに変えてみると
いろいろなものの見方が変わってきます

これは、この番組が始まった第1回目の放送でも
小磯修二さんから伺ったお話なのですが、
今回はさらに具体的な例をいろいろ教えていただきました。

北海道だからこそのパワー。
未来に向けて、さらに活かしていきたいですね。

 

ここまでお読みくださり、ありがとうございました!
次回もお楽しみに…♪

 

 

 

 

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