みなさん、こんばんは。
愛原 夢音です♪
今回は、世界のあこがれ〜北海道ブランド〜から。
今、世界から注目される北海道。この番組では、
北海道が世界に誇る自然、文化、産業などをピックアップ。
北海道の魅力や可能性を、ゲストの方に伺っていきます。
今回のテーマは、昭和新山国際雪合戦。
雪国の子供が遊ぶ雪合戦をもとに、壮瞥町では
ルールをつくりスポーツ雪合戦として進化してきました。
その楽しさは国境を越え、海外でも広まっています。
壮瞥町総合商工観光課長昭和新山草雪合戦実行委員会事務局長の
三松靖志さんをゲストに、昭和新山国際雪合戦について
お話を伺っていきます。
今回のポイントは、逆転の発想です。
さて、その発想とは…?
みなさんも一緒に考えてみてくださいね。
Contents
昭和新山国際雪合戦はいつから始まった?
昭和新山国際雪合戦が初めて行われたのは、平成元年。
今年は新型コロナウイルスの影響で中止になってしまいましたが、
もし今年開催されていれば、33回を迎えるとても歴史の長い
大会となっています。
新しい時代とともにスタートした、昭和新山国際雪合戦。
町おこしのイベントとしては極めて異例の長さで、
親子1代、3世代にも渡って携わっている方がいるほど
伝統のある大会となっているんです。
昭和新山雪合戦を始めた経緯は?
昭和新山は北海道の南西部にあります、壮瞥町という町にあります。
1977年から有珠山が5年ほど噴火活動を始めたことで、
壮瞥町を訪れる観光客が激減。
特に冬場は、観光客がほとんど来ないというような状況です。
その状況を打開すべく、何か町を明るくするようなイベントができないか。
町の有志が話し合っていく中で出てきたのが、この雪合戦です。
“冬の邪魔者”として北海道ではもう見たくないくらい、
雪がたくさん降る北海道。
ですが、そんな雪を活かす方法を見つけることになります。
それは、有珠山噴火のあとに東南アジアの観光客の方が
昭和新山を訪れたときのこと。
雪を見たことがない東南アジアの方たちが、雪玉を握って
無邪気にぶつけ合って笑っていたんです。
その姿を見た壮瞥町の方が、「これだ!」とひらめいたそうです。
国際的なルールをつくって、雪合戦をスポーツ化した壮瞥町。
実は、雪合戦をスポーツ化した人は今まで1人もいないんです。
誰もそういうところに着眼点を持っていなかった。
そこに、雪合戦をスポーツとして成立させたということで
昭和新山国際雪合戦が始まり、長く続いているというわけなんですね。
三松靖史さん曰く、
「雪は恐らく、人類が誕生したときからたくさんあっただろうと
思うんですね。雪を見た人はそれを握ってボールにして
ぶつけあってたんじゃないかと。
本能といいますか、雪玉作るとあてたくなりますし、
無邪気に小さい子供からお年寄りまで、
みんな本能的に雪玉をつくると笑顔でぶつけ合うんですよね」。
誰でもいつでもすぐできる、冬のスポーツとしてのイベント。
犬ぞりレースやヨットレースなどのいろいろなアイデアが出た中で、
圧倒的な支持を得たのが、雪合戦でした。
雪合戦は雪がないとできないスポーツということで、
逆転の発想で雪合戦が1番いいだろうという話に。
これが、昭和新山国際雪合戦が生まれたきっかけだったんですね。
競技人口はどのくらい?
国際雪合戦の競技人口は、国内だけで約2万人いるのではないかと
言われています。
世界にも国際雪合戦連合というものがあります。
そちらは日本を含めて14カ国が加盟しているので、
世界中の競技人口は約2万~3万人になります。
世界でも雪合戦は行われている?
国際雪合戦連合が2012年に設立され、
現在日本を含めて14カ国が加盟しています。
特にカナダやフィンランドでは盛んに雪合戦が行われていて、
雪合戦の共通ルールを通じた国際交流も壮瞥町で行われています。
カナダやフィンランドも強いのですが、
やはり日本がレベルは高いです。
第30回大会ではワールドカップ大会を初めて開催したのてすが、
そのときは中国、フィンランド、カナダ、日本が参加。
日本は初めて、選抜チームで全国から選りすぐりの選手を
集めたスーパーチームで戦いに挑みました。
優勝したのは、日本。
他の国のチームもそれぞれ味のある戦いで、
楽しみながらも本気モードの素晴らしい大会をとなりました。
最近は海外もなかなか日本に来られない状況が続いていますが、
またワールドカップを開催したいというのが、
今の三松靖志さんの夢だとか。
雪があまりない地域からの参加もある?
参加までには至らなかったのですが、東南アジアでは
タイが国際雪合戦連合に加盟しています。
人が集まるショッピングモールの中に人工雪とフィールドをつくって、
体験雪合戦試合を行っているところも。
興味を持つと、すごくハマってしまうようなんです。
雪がなくても、夏場はテニスコートや芝生の上で
練習を行ったりもしています。
ルールも、雪玉の代わりにゴムボールを使って
楽しみながら練習しているわけなんですね。
「YUKIGASSEN」というものを共通言語にしていて、
雪合戦の魅力にどっぷりとハマった人である
「雪合戦人」(ゆきがっせんじん)が徐々に世界に増えてきています。
予選を入れて、雪合戦の参加チームは何チームくらい?
国内で予選が行われているのは、19ヶ所。
北海道もいくつかブロックに分かれています。
第32回大会のときは、約30チームが全国から参加。
各地で予選やそれに関連する大会が開かれているという状況です。
海外にも予選はある?
カナダでは大会が開かれていて、昭和新山国際雪合戦には
そこから勝ち上がってきたチームが派遣されてきます。
大会といっても、すごいお金をかけてくるので、
優勝したチームが必ず来るというわけではありません。
それは、交流の一環として連盟からの推薦を受け入れているから。
海外チームとしては初の地区予選リーグを突破して
準決勝リーグに上がったこともあるほど、
めきめきと力をつけてきています。
北海道内の強豪チームや優勝経験あるチームと練習をすると、
カナダの選手は体が大きくて肩も強いので、
戦略・戦術を学ぶと上達が非常に早いんです。
交流を経てさらに強くなる、ということもあるんですね。
昭和新山雪合戦では何チームが参加している?
昭和新山国際雪合戦では、いろいろな部門に分かれています。
一般の部が、112チーム。
女性のみのチームは18チーム。
ジュニア交流チームという小学生の高学年の部門が12チーム。
そして、45 歳以上の”レジェンドチーム”が6チーム。
このレジェンドチームは、往年の名選手たちが
自分たちでチームを組む、いわゆるOBチームとなっています。
このレジェンドチームで活躍するのは、
チームを監督として引き連れてくる方々。
この方たちは顔見知りなので、お互いの手の内を知り尽くしています…。
そういう人たちが和気あいあいと自主運営をして、でも真剣モードで。
同窓会でもありながら、闘争心を持ちながら大会運営にも携わりながら。
試合が終わったあとには審判も率先してやってくれるなど、
“雪合戦人”の真髄を行くような方々が、応援もして
大会自体を盛り上げると同時に大会運営にも携わっています。
今後の活動計画は?
今、北海道の中で雪合戦人口は非常に高く、
選手からも再開を望む声は非常に多く寄せられています。
雪合戦にどっぷりとハマってしまった「雪合戦人」の
期待に応えるように着々と準備を進めています。
中には雪合戦のバーチャルスポーツ、e-Sportsの開発に携わってる方も。
実際に雪がなくてもバーチャルの世界で世界中に発信できるわけなんです。
今は、そういうものに取り組みつつ
いざ本番というときに備えている真っ最中です。
これからの昭和新山国際雪合戦にも注目です!
今回のポイントは、逆転の発想でした。
街を明るくするため、北海道で暮らす人にとっては
邪魔者である雪を活かす。
昭和新山国際雪合戦は、そんな逆転の発想から生まれたんですね。
次回も、多くの人を引きつけるスポーツ雪合戦の
魅力について伺っていきます。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました!
次回も、お楽しみに…♪