ホラン千秋「知らなかった!」ソルトコーディネーター青山志穂に聞く塩の魅力

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みなさん、こんばんは。
愛原夢音です♪

 

まだまだ気温が高く蒸し暑い今日この頃。
みなさん、いかがお過ごしですか?

蒸し暑くなってくると汗をかいてミネラルが出ていってしまいますよね。

出て行ったミネラルは補給しなければなりません。

そこで今回は、そんなミネラルを豊富に含む生活になくてはならない調味料「塩」にフォーカス。
ソルトコーディネーターの青山志穂さんに、料理をおいしくする「塩」の魅力について伺いました。

 

どうぞ、最後までお付き合いください!

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

Contents

ソルトコーディネーターとは?

 

まずは、ソルトコーディネーターの青山志穂さんのプロフィールを簡単にご紹介します。

青山志穂さんは、大学卒業後総合食品メーカーに勤務しまして商品開発に従事。
その後移住した沖縄で塩の専門店「まーすや」に転職したことから塩のエキスパートになられました。

全国の塩の産地を回ったり塩にまつわる正しい知識の普及に努めるなどの活動を行っています。

 

「ソルトコーディネーターってなんとなく塩に詳しいんだなというのはわかるけど、そもそもどういうお仕事なの?」

 

と、疑問に思っている方もいらっしゃると思いますので少しご説明しますね。

 

みなさんは、ワインソムリエって聞いたことありますよね?

 

「この料理にはこのワインが良いよ」とコーディネートするのがワインソムリエですが、
その”塩バージョンがソルトコーディネーターという仕事です。

なので、「この料理にはこの塩がいいですよ」とコーディネートするのが
ソルトコーディネーターということになります。

 

 

ここで、ホラン千秋さんから塩についての”悩み”が。

 

 

 

「正直…お塩って、もちろんいただきものとかで粒のとても細かいものから粗いものまでいろいろいただくんですけど、
”どれも…塩気じゃん?”って思っちゃってうまく使い切れてないんですよ。」

 

 

みなさんも同じ悩みを抱えてはいませんか?

 

地域のよって味が全く違う調味料、塩。
塩によっては料理の味を最大限に引き出すものもあります。

 

具体的にどんな塩があるのか、後ほどご紹介していきたいと思います。

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜ「塩はとりすぎ注意」といわれるようになったのか

 

 

どんな味の塩があるのかをご紹介する前に、まずは「塩」そのものについて考えていきたいと思います。

よく、塩って「減塩」とか「塩とりすぎ注意ですよ」とかいろいろ呼びかけられているものってありますよね?
けれど、塩は私たちにはなくてはならない成分でもあります。

塩には、歴史と深いかかわりがあります。

日本は1972年ぐらいに「この塩しかつくっちゃだめですよ」という法律、
つまり専売制度ができたので”ナトリウムだけの塩”になってしまったんです。

ミネラルが限られた塩。
そこから、急に減塩といわれるようになりました。

今までいろいろなミネラルが入っていた塩をずーっと脈々と使ってきたのが急に変わったので、
”とりあえず量を減らそう”という話になったんですね。

ナトリウムだけの塩が発売されてから”減塩”といわれて減塩みそや減塩醤油ができるようになりました。
それまでは、”減塩”ということは一言も言われてこなかったんです。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミネラルが豊富な塩は塩分濃度が高くなかった?

 

それでは、ミネラルが豊富なお塩を使っている場合はそこまで塩分濃度は高くなかったのでしょうか?

 

塩は、いろいろないろんなミネラルの集合体です。

 

それまでの塩にはナトリウムが入っていました。

このナトリウムは血圧をあげる成分とされているのですが、
実はそんなにたくさん入っていなかったんです。

しかも、とりすぎたナトリウムは体にためておけないので勝手に出ていきます。

カリウムという排出を促進するミネラルも塩の中にもともと一緒に入っているので
いっぱいとっても使った分だけ使っていらないものはどんどん出ていく。

専売制度になる前はそうでした。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正しく選んで正しく使えば塩分は気にしなくてもいい

 

ミネラルが入ったお塩を正しく選んで正しく使えば、そこまで塩分は気にしなくていいのでしょうか?

 

 

正解は、YESです。

 

「塩の量は減らそう」という話や「減塩減塩」という言葉を私たちはよく聞きますが、
”塩の質”の話ってあまり聞かないですよね?

 

現在、日本で取り扱っている塩は海外産を含めると4000種類にも上ります。
その4000種類の塩1つ1つは、ミネラルのバランスが何もかも違うんです。

なので、しっかり選ばないといけませんよね。

 

 

 


 

 

 

 

 

「世界で日本だけ」いろんな産地の塩を”贅沢”に味わう日本人

 

 

海外に行くと、日本の専売制度のように「塩といえばこれでしょ!」という概念はそれほど多くはありません。

国によっては専売制度がある国もあるのですが、海外では地域色豊かなものを、その地域でつくってその地域で食べることがとても多いです。

いわゆる地産地消ですね。

こんなにたくさんの塩を輸入したり使い分けたり、いろんなところの塩を使って楽しもう、という”贅沢”を味わってるのは実は日本が1番。

世界でも、日本だけなんです。

 

「不思議ですよね。そもそも、これに統一してくださいっていわれたからこその反動なのか…。」

 

と、ホラン千秋さん。

 

 

日本人のこだわり気質からきているのでしょうか。

 

保守的な感じだけど新しいものを見つけて海外のものをどんどん取り入れつつ、日本文化とミックスしていくっていうのが得意な国。

 

それが、日本という国なのかもしれませんね。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

進化する日本の製塩技術

 

 

ホラン千秋さん、実はソルトコーディネーターの青山志穂さんが持っている小さなスーツケースのようなかばんが気になっていたようで…。

 

「わあ、すごい!!ちょっと待って!!」

 

と、声高々。

その中には、青山志穂さんが持っている塩がたくさん入っていました。

 

そのケースの中に入っているだけで、132種類!
塩の味は1個1個違うといいます。

 

「えっ、すごい!圧倒されてます!」

 

と、ホラン千秋さんも驚愕するほど。

 

地域によって環境や塩づくりの歴史があるので、全く同じ塩の味はないということなんですね。

日本の塩と一口に言っても、600か所以上でつくられているので
塩をつくっていない県の方が実は珍しかったりするんです。

基本的には海がある県で作られていることの方が多いのですが、
日本の場合はしょっぱい温泉、食塩泉がかなり沸いています。

そのしょっぱい温泉水から塩をつくっている、なんてところもあったりします。
そのため、塩は内陸部でもつくることができます。

なので、つくっていない県の方が実は少ないということなんですね。

生産者の方々はいろいろ考えて、日々日本の製塩技術は進化しています。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソルトコーディネーター青山志穂さんの”推し塩”は?

 

 

青山志穂さんが持っているケースの中には、藻塩という塩が入っています。
この藻塩は海藻のエキスが入った塩で、世界で日本しか作っていません。

海外では海藻を食べる習慣がないので、
日本だけがこの海藻のエキスの入ったお塩を昔からつくり続けています。

実はこの藻塩…万葉集にも出てくるんです!
藻塩が、歌にも唄われているんですよ!

すごいですよね。

 

「見た目の美しいお塩って、本当に見てるだけで感動する」

 

 

と、青山志穂さん。

 

 

青山さんが「いつ見てもきれいだな」「宝石みたい」という塩があります。

それが、「きらら」という名前の塩。
見てみるとわかるのですが、結晶がとても大きいです!

塩とは思えないくらい大きくて、形はまるで宝石。

結晶はうすくて、中がピラミッド状になっています。
中が空洞のピラミッドになっている状態。

フレークといってもおかしくないくらいのサイズです。
5ミリ四方くらいのものもあります。

生産地に行くと、奇跡的に直径10センチぐらいの粒の結晶ができることがあるそうです。
しかも、形はきれいなピラミッド状。

そんな形になるのはとても珍しいため、生産者の方々は自分の手元に置いておくのだそう。
それほど希少だということなんですね。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寒流と暖流で味が全く違ってくる塩

 

 

日本で塩をつくっていないところは少ないという話を先ほどお伝えしましたが…

北から南まで地域でつくられている塩。
つくられている地域によって、塩の味にはどのくらいの差があるのでしょうか?

 

塩は、製法で量や味がコントロールできます。

厳密に同じ製法で固定した場合は、原料の違いがよく出るのが塩という調味料です。

 

日本には4つの海流が流れていますが、
ここでは大きく分けて寒流と暖流の2つに絞ってその味の違いをご説明しますね。

北から流れる寒流と南から流れる暖流ですが、
その寒流か暖流かだけでも全然違います。

まずは、寒流から。

北海道の方を流れてくる寒流はシベリアからずっと表層を流れてきている海水なので、
光合成をたくさんしていてプランクトンがいっぱいいます。

なので、それを塩にすると無機質のところに有機物も入っていたりして「こってりめ」な塩ができるんです。

 

こってりめなので、うまみがあって味があります。

 

逆に沖縄の方を流れてくる暖流は、沖縄に来る直前まで深層の方を流れて
急にグッと上がってきているためあまり光合成をしていない。

そのため、プランクトンが少ないんですね。

そうすると、あっさりした塩ができます。

あっさりした塩だと、あっさりした食べ物に合いやすいので野菜に合わせるといいですね。
こってりした塩だと味が強い食べ物に合いやすいので、肉に合います。

野菜に合わせるにしても、トマトのように甘みがとても強いものが相性抜群です。

自分が買っている塩がどこの産地のものかで、野菜に合うかお肉に合うかどうかで使い分けることができますね。
これは知っておいて損はないです!

 

※ちなみに、海水も場所によって全く違います。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”とんでもない塩”の情報はSNSでエゴサする?

 

 

 

「青山志穂さんは、旅行先に行ったときにその土地の塩を買って帰るとかあるんですか?」

 

とのホラン千秋さんの質問に、

 

 

「マストです。むしろ塩を買いに行ったついでに観光地をちょっと見るくらいの感じ。」

 

 

と、青山志穂さん。

 

 

 

青山志穂さんは観光地メインではなく塩メインでいろいろなところを訪れているというわけなんですね。

そんな青山志穂さんは、どこで”おいしい塩情報”を仕入れるのでしょうか?

 

それは…

 

SNSです。

 

 

日々、SNSで塩を”エゴサ”するのが習慣化しているのだそう。

 

#塩 #自然塩 #天然塩 で調べると、塩の情報が出てきます。
みなさんも、ぜひ調べてみてください。

 

ちなみに、#塩 で調べると塩ラーメンの情報がたくさん出てきてしまうので注意です。

 

 


 

 

 

 

 

自然塩と天然塩の違いは?

 

先ほど出てきた「自然塩」と「天然塩」には、それぞれどんな違いがあるのでしょうか?

 

結論からいうと、自然塩も天然塩も中身は一緒。

 

いわゆる海水からナチュラルにつくったものや岩塩から掘りだしてきたものなど、あまり手を加えていないものを一般名称で「天然塩」とか「自然塩」と呼んでいます。

要するに、呼び方が違うというだけですね。

 

試しにSNSで自然塩や天然塩について調べてみることにした、ホラン千秋さん。

自然塩で調べた方がたくさん出てくるとの青山志穂さんのアドバイスで、「自然塩」で調べてみることに。

 

すると…

 

 

「あった!いっぱい出てくる!」

 

 

と、ホラン千秋さん。

 

 

SNSには、自分の住んでいる地域のオススメの塩や自分が持っている塩など、いろいろな情報がアップされています。

 

「便利な時代になりましたよ、本当に。」と、青山志穂さん。

 

 

ホラン千秋さんが調べて見つけたものの中には、
「ぬちまーす」や紅塩もありました。

青山志穂さんは、知らない塩の写真をSNSで見つけたら
とりあえずスクショしておき、夜ゆっくり調べるようにしているそうです。

 

そして、ホラン千秋さん。

 

調べていると、青山志穂さんのインスタグラムのアカウントを見つけました!

 

「青山さん出てきました、すごい!
すごい人がいると思ったら、青山さんでした!

ちょっと待って、みなさん!青山さんのインスタ見ていただきたい。
これ、すごいですね!」

 

 

と、感動しているご様子。

 

青山志穂さんは沖縄と北海道の2拠点生活をしているのですが、北海道の自宅の棚には塩を薬瓶に入れて並べています。

その数、なんと約1200種類!

しかも、6段のひな壇になって綺麗に並んでいてまるで研究室のようです。

並べる際は、「ここは藻塩ゾーン」「ここは世界の岩塩ゾーン」
「ここは高知県」と決めて順番に並べているんですね。

 

 

「すごい、これはもう…。根っからの、というか、塩博士ですね。」

 

 

と、ホラン千秋さんも驚きを隠せません。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソルトコーディネーターが最近1番驚いた塩は?

 

 

ソルトコーディネーターの青山志穂さんが、最近1番驚いた塩が2つあります。

まず1つ目が、山口県の塩。

春・夏・秋・冬と海の様子が変わるので、
春塩、夏塩とつくりわけてるところがあります。

青山志穂さんの中では、この山口県の塩が今ブームなのだそう。

そしてもう1つは、今まで600か所もの製塩所を訪問した中で青山志穂さんが印象的に残っている塩です。
その塩は、「この人しかやっていない」オンリーワンなつくりかたにとことんこだわっているというもの。

沖縄県の離島、多良間島に住んでいる方がつくっています。

普通、塩づくりは効率を上げるために海水をくんできたものを濃縮してからグツグツ焚(た)くのですが、
その方がつくっている塩は、海水をくんできてそのまま箱の中に入れてただただ待つという製法でつくられています。

つまり、太陽と風の力だけで結晶させます。
海水が太陽と風で水が蒸発するのを待つので、塩が完成するまでに3か月もかかるんです。

すごすぎますよね!

この製法、効率が悪すぎて誰もやらないのですが、その方だけは

 

「これが俺の理想の塩づくりのやり方だ」

 

と、一切何も足さないし引かない。

 

”完全な天然の塩”をつくっているんです。

 

ちなみに、この”完全な天然の塩”の味は…

 

 

爆発的に強いです。

 

 

その味について、青山志穂さんは

 

 

「花火が口の中で上がってるみたいな感じで。ボリューム感もすごい。
ワインの表現に近いんですけど、フルボディーです、完全に。」

 

 

と、話します。

 

 

 

塩と一口に言っても、種類が豊富な分いろいろな製法があるんですね。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回はソルトコーディネーターの青山志穂さんに来ていただきました。

 

みなさん、いかがでしたか?

 

 

「もう、青山さんの塩好きぶりすごかったですね。愛が!!」

 

 

と、振りかえるホラン千秋さん。

 

日本の塩はミネラル分を抜いてナトリウムだけでつくるようになっていて、
そこにミネラルが加わるとこういう味がしたり違う風味が生まれてくるということを教えていただきました。

 

私もまったく知らないことばかりだったので、「そうだったんだ!」ととても勉強になりました。

 

塩は日本中でつくっているので、みなさんもぜひお住まいの地域でつくっている塩を試してみてください。
「自分の住んでる地域にこんな塩あったんだ!」という新発見があるかもしれません。

 

次回もソルトコーディネーターの青山志穂さんに、
日本人には欠かせない塩の魅力についてたっぷりと伺います。

 

お楽しみに♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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