みなさん、こんばんは。
愛原 夢音です♪
お金についていろいろな話題をお伝えしていく、
「川部紀子のおかねカンケイ」。
今回は、賃金についてのお話です。
ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子さんに、
“とりとめのない”賃金のお話を伺いました。
もしかしたら給料が決済アプリで受け取れるかも?
という、給料のデジタル払い。
皆さんにも関係があるかもしれない、お金のお話です。
どうぞ最後までおつき合いください!
Contents
給料のデジタル払い解禁に向けた議論が再開
スマートフォンの決済アプリに直接給料を入金する
デジタル払い解禁に向けた議論が1年ぶりに再開されました。
もしデジタル払いが解禁になれば、PaypayやLINE Payなどのスマホの決済アプリに
直接給料が入金されるということになります。
ですが、このデジタル払いは強制ではありません。
みんな給料をデジタル払いにしなければならない、と
いうことではないので安心してくださいね。
単に選択肢が広がる、というだけです。
デジタル払いと現金払い、ぶっちゃけどっちがお得?
このデジタル払い、実は川部紀子さんは給料が10%増しなどの
魅力的なお得がない限りはデジタル払いを選ばないそうなんです。
スマホ決済をよく使っているという川部紀子さん。
かなりのスマホ決済ユーザーである川部紀子さんですが、
なぜデジタル払いを選ばないのかというと…
クレジットカードやスマホ料金まとめて払いの方が
クレジットカードのポイントが貯まるから。
会社から直接スマホ決済に入金してもらうよりも、給料はまず普通にもらって
クレジットカードからチャージする方がお得なんです。
そのため、お得がない限りは自力でスマホ決済にチャージした方がいいということなんですね。
なぜ今、給料のデジタル払いなのか
「そもそも、給料のデジタル払いという話はなぜ出てきたの?」
「会社と本人さえよかったから、今すぐにでもできそうだけど…」
という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
ここからは、その2つの疑問についてわかりやすく解説していきたいと思います。
なぜデジタル払いの議論が再開されたのかというと、
今の法律のままではデジタル払いができないからなんです。
労働基準法第24条には、賃金支払い5原則があります。
賃金支払い5原則
1通貨で払う
2直接労働者に払う
3全額を払う
4毎月1回以上払う
5一定の期日を定めて払う
つまりデジタル払いで給料を払ってしまうと、
払った会社側が法律違反になってしまうんです!
なので、デジタル払いをOKにするためにも議論が再開されたということなんですね。
今の法律では給料のデジタル払いができない?
そして、もう一つの疑問。
会社と本人さえよかったら、すぐにでもできそうだけどなぜできないのか?
その答えは、賃金支払い5原則にあります。
賃金支払い5原則の1つ目、みなさん覚えていますか?
そう、”通貨で支払う“です。
ですが、Paypayなどのスマホアプリは通貨ではありません。
なので、今のままでは会社側が給料を払うことができません。
そして…
口座振込ですが、こちらも実は通貨ではないんです!
みなさん、ご存知でしたか?
口座振込は、労働者の同意を得た上で労働者の指定する金融機関に振り込む場合だけ
特別にOKというふうになっています。
口座振込で払う場合は、通貨ではなく数字で払ったといってもいいかもしれません。
給料のデジタル払いをOKにするためには、
今の法律の例外にわざわざその内容を追加しなければなりません。
そのため、しっかりと議論して決めなければならないということなんですね。
もちろん”みんなのための利便性”ということもあるでしょうが、
国の事情としてデジタル払いを勧めたいという思惑もあるようです。
法律に追加してまでデジタル払いをやる意味がある、ということなんですね。
政府は、マイナポイントを進呈するなどキャッシュレス化を促進して広げようとしていますよね。
“足がつかないから”という理由で犯罪や税金など悪いことに使われがちな現金。
犯罪を防止するためにも、デジタル払いやキャッシュレス化を促進しようとしているんですね。
外国人労働者に便利なデジタル払い
この給料のデジタル払い、実は外国人労働者にとってとても便利なのだそう。
ですが、外国人が日本で銀行口座を開設するにはいろいろなハードルがあります。
労働者側も、会社側もとても大変なんです。
そこでアメリカでは、とても便利なしくみがあります。
ペイロールカードという給料振り込み用のプリペイドカードが
銀行口座の代わりになる、というもの。
外国人労働者の雇用を促進するという面でも、
日本はデジタル払いを進めようとしています。
現在進行形で人工が減少している国、日本。
労働力も不足している今、
外国人労働者の重要性の声は日に日に大きくなっています。
もしかしたら、給料のデジタル払いが
労働力不足の解決にもつながるかもしれませんね。