みなさん、こんばんは。愛原夢音です♪
今、世界から注目される北海道。北海道がもつ魅力や可能性をゲストの方に伺います。
今回のテーマは、小樽雪あかりの路。
冬の小樽が夕暮れを迎えると歴史的な町並みがキャンドルの明かりに照らし出される静かな冬の風物詩、小樽雪あかりの路。
多いときには50万を超える人が訪れていましたが、去年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となり今年はメイン会場を設けず形を変えての開催を模索してきました。
今回と次回の2回に渡り、小樽雪あかりの路について小樽観光協会のながおかともこさんに伺っていきます。
今回のポイントは…
「あかり人」です。
「あかり人」とは何なのか、みなさんも一緒に考えながらどうぞ最後までお付き合いください!
Contents
小樽雪あかりの路のイベントはいつから始まった?
小樽雪あかりの路は1999年、23年前にはじまったイベントです。
はじまってからは、ジワジワと知名度が広がってきたイメージがあります。
小樽雪あかりの路はどんなきっかけではじまった?
小樽雪あかりの路は、小樽の観光の弱点である冬と夜をもりあげたいという理由からはじまりました。
小樽といえば、ずっと昔から観光客が多いイメージがありますが…
それでも、冬と夜は弱かったのだとか。
小樽の観光は7〜8月がトップシーズンで多くの方が訪れるのですが、冬はあまり人がいなくて寂しい時期。
実は、2月も小樽を訪れる方が増えてきたのは本当に最近だったんです。
なんとか冬も、たくさんの人に来てもらおうということがきっかけではじまったのが、小樽雪あかりの路というイベントなんですね。
小樽雪あかりの路は、小樽観光誘致促進協議会という会議体の中から
「こういうイベントをやろう!」
という話が出て、動き始めたイベントです。
特定の誰かというよりは、市民の声が集まってその会議の方々が一生懸命考えて生まれた。
それが、小樽雪あかりの路です。
冬の小樽に人を呼び込むためにはどうしたらいいのか?
ということからはじまり、話し合いが行われていったんですね。
小樽雪あかりの路はどんなイベント?
小樽雪あかりの路は、ろうそくの明かりで雪の小樽を優しく照らす、実はすごく静かなイベントになっています。
小樽雪あかりの路で使われているのは、電灯ではなくろうそくです。
ここが大きなポイント!
一つ一つキャンドルが使われているというところで、小樽らしさや街の哀愁、人の温かさが感じられるところが人気の秘密になっています。
小樽雪あかりの路の公式ホームページを見ると、1番最初にイベントを立ち上げたレジェンドの方々のお話が掲載されています。
最初は、電気にするかろうそくにするかで対立するようなこともあったそうですが…。
今でもレジェンドの方々は「ろうそくでたる」ことにとてもこだわっています。
レジェンドの方曰く、
「明かりをそのまま見せるのではなく、それをまたさらに雪でかぶせて雪の中から明かりがフワッと浮き上がるのが美しい」
とのこと。
普通のキャンドルで明かりを覆って、雪の薄い壁越しにろうそくの明かりを見る。
そこまでして、よりやわらかな光を楽しむことこそが大事だということなんですね。
小樽雪あかりの路のろうそくの写真を撮る方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
小樽雪あかりの路の例年のみどころは?
ここからは、小樽雪あかりの路の例年の見どころについてお伝えしていきます。
小樽市内にろうそくの明かりが広がっていきます。
例年は、メイン会場である運河や旧手宮線会場ではスノーキャンドルや運河の水面に浮き球キャンドルを浮かべています。
今年は残念ながらメイン会場はありません。
その代わり、小樽市内にろうそくを無料で配布してろうそくの明かりを広げる「あかりびと」企画を今年はメインで実施しています。
小樽市民のみなさんが、自分のご家庭で明かりを楽しんでもらう。
それが、今年の小樽雪あかりの路のコンセプトになっています。
以前からあるろうそくを灯す習慣
パーソナリティーである鈴木舞さんが数年前に、小樽雪あかりの路の期間中の冬の小樽を訪れたときのこと。
商店街のお店の前やご家庭の家の前に手作りのスノーキャンドルがおいてありました。
夕方になったらこれを灯すんだろうなと、たくさんみかけたスノーキャンドルを見て思ったのだそうです。
各ご家庭や商店街の方々も一緒になって、というのは以前からありました。
ながおかさんによると…
スーツを着たサラリーマンの方々が、夕方になるとぞろぞろと外に出てきて自分の職場の周りにキャンドルの準備をしている姿もよくみかけるとか。
もう、そのエピソードだけでもあったかいですよね!
温かいスキーウェアではなく、いつものスーツの上にいつものコートを着て、素手でろうそくに明かりを灯しているところも見かけたりするんですって。
それも、小樽らしさがでていますよね。
そういう光景が普通に見られるというのも、小樽雪あかりの路が始まってから20年以上の歴史が積み重なったからこそですね。
継続したもののおかげで、今につながっている。
それを感じることができるイベントにまでなりました。
たとえ大きな会場で大々的に開催することが難しくても、街の色んなところで優しい明かりが灯る。
逆に言うと、今だからこそ、さらに良い思い出も残りそうな気もしますよね。
心が安らぐ感じがします。
やはり、1番最初に「電気ではなくろうそくで」と決めてよかったですね。
2022年の小樽雪あかりの路はいつ開催?
今年の小樽雪あかりの路は、2月11日の金曜日から2月13日の日曜日の3日間。
本日が最終日となります。
ちなみに、小樽雪あかりの路のクラウドファンディングも実施中です!
1口1500円から支援することができますよ。
ぜひ、興味のある方は参加してみてくださいね!
締切は今日までです!
小樽雪あかりの路の名前の由来は?
小樽雪あかりの路という、このイベント名ですが…
この名前は、何にちなんでつけられたものかみなさんわかりますか?
小樽雪あかりの路という名前は、小樽出身の文学者、伊藤整の詩集からとられています。
詩集からとるというのも、またロマンチックですよね。
ちなみに…
小樽雪あかりの路では例年、塩谷会場があります。
塩谷地区では、伊藤整が住んでいた家があった、ゴロダの丘というところにとても気合を入れた会場を毎年つくっていて、実は隠れた人気スポットになっているんです。
伊藤整の詩集、「雪明りの路」にはこんな一節があります。
『雪明りだよ。
案外に明るくて
もう道なんか無くなつてゐるが
しづかな青い雪明りだよ。』
(伊藤整『雪明りの路』より「雪夜」)
どうですか?
もう、「雪あかりの路」のイベントそのままですよね!
塩谷会場は周りに木が並んでいるところにろうそくの明かりがたくさんつけられるので、本当に詩の通りの光景が広がります。
例年だと、どのくらいの人が見に来ていた?
例年だと、40万人以上の方が小樽雪あかりの路を見に訪れています。
1番多いときで57万人という記録もあるから驚きです!
しかも、小樽市の人口は約11万人。
それを考えると…冬の小樽は観光が弱いといっていたのが嘘のようなくらい多くの方が訪れています。
海外からのお客さんも多かった?
最近は難しくなってきましたが、海外からのお客さんも大変多く訪れていました。
観光で来られる方ももちろん多かったのですが、実際に小樽雪あかりの路のイベントを運営するボランティアチームで来てくださる海外の方も多くいました。
国を超えてできあがっているイベントという感じがしますね。
ボランティアチームの中でも多いのが、韓国のボランティア。
韓国のボランティアチームでは、経験者が新人に教えることも。
韓国で説明会があったり、逆に小樽から韓国に説明に行くこともあるのだそう。
単純に小樽雪あかりの路のイベントがきれいというだけではなく、人とのつながりや交流も一緒に受け継がれています。
小樽雪あかりの路では、午後から作業をして点灯が終わって。
1日くたくたになるはずなのに、その後みんなでご飯を食べたり、合間で小樽の人たちがいろいろな企画を用意して交流する場面が多くありました。
海外のボランティアチームの方々は、それをすごく楽しみにしていたそうなので…
今回来れなくてとても残念ですよね……。
明かりを灯したりするのは寒い中たくさんあって大変だけど、その後あったかい楽しい時間も待っている。
だからこそ、がんばれたということなんですね。
ここまで、小樽雪あかりの路についてお伝えしてきました。
いかがでしたか?
今回のポイントは、「あかり人」でした。
今年の小樽雪あかりの路は町の皆さんに「あかり人」になってもらい、ご家庭や店先などに明かりを灯しましょう!
そんな形で開催しています。
地元民じゃないけど参加したい!というあなた。
応援する人も、十分「あかり人」です。
次回は、冬の小樽の楽しみ方について伺います。
次回もお楽しみに♪