みなさん、こんばんは。
愛原 夢音です♪
今回のテーマは、シマフクロウ。
北海道に生息する大型のフクロウで絶滅が危惧され、
国の天然記念物に指定されています。
今回は、北海道博物館学芸員の表渓太さんにに
シマフクロウについてお話を伺いました。
ポイントは、名前。
意外な名前の由来とは?
Contents
北海道にしか生息していないシマフクロウ
シマフクロウは、ロシアの1番東の方や知床・根室・釧路、
大雪山などの北海道の東側にも生息しています。
国後島と色丹島にも住んでいます。
現在、日本でシマフクロウが生息しているのは北海道だけです。
シマフクロウは北海道にどのくらいいる?
3年前のデータになりますが、シマフクロウは
北海道に165羽ほど生息しています。
これは、以前に比べると増えているのか減っているのか、
みなさんわかりますか?
実は、少し増えてきたんです。
1番少なかったのは1980年代。
100羽もいなかったと言われています。
それに比べると、増えてはきました。
165羽と聞くと、
「それしかいないんだ!」
と思ってしまう数ではありますが、
以前に比べると少し増えてきたようです。
シマフクロウの大きさは世界最大級
シマフクロウの大きさは、だいたい70センチくらい。
ですが、翼を広げるとかなり大きく見えます。
翼を広げると畳くらいの幅はあるといいますから、結構な大きさですよね。
日本、世界にはいろいろな種類のフクロウがいます。
その中でも、シマフクロウの大きさは世界最大級なんです。
シマフクロウの”シマ”は模様ではない?
シマフクロウという名前ですが、
この名前の由来、みなさんご存知ですか?
シマと聞くと、「しましま模様なのかな」と思う方も
いらっしゃるかもしれませんが、実は違うんです!
この”シマ”というのは、海に囲まれた島のこと。
なので、島に住んでいるフクロウという意味で
シマフクロウという名前がつけられています。
北海道を”北海道島”ということで、
そこに住んでいるフクロウを、シマフクロウと呼んでいます。
だから、シマフクロウなんですね。
「木のコブにしか見えない」シマフクロウの羽の色
では、そんなシマフクロウの羽の色は
どんな色をしているのでしょうか?
シマフクロウの羽の色は、ベージュのような保護色になっています。
木のミズナラとかハルニレみたいな
木の肌の色のような感じの色ですね。
そのため、シマフクロウが木の上に止まっていると、
木のコブにしか見えなかったりします。
シマフクロウは、縄張りを守るためにデュエットしている
シマフクロウの鳴き声は、低くてよく通る声をしています。
日没後に1分ほどの感覚でシマフクロウの鳴き声が聞こえてきます。
イメージ的にフクロウって、「ホーホー」となくのかな?と
思うかもしれませんが、シマフクロウはかなりの低音です。
シマフクロウは、自分の縄張りを守るために
オスとメスでデュエットしてないているんです。
「ウッウッ」というオスのなき声のあとに、
メスが「ホー」と答える。
これが、シマフクロウの鳴き声です。
縄張りを守るために、ここは自分たちの縄張りだということを
デュエットして周りにアピールしているんですね。
鳴き声が聞こえるときはデュエットでないています。
独身の場合は、デュエットはできません。
数が少ないのでなかなか見つけられない鳥が、
シマフクロウというわけなんですね。
シマフクロウの鳴き声を聴きたい方はコチラ↓
シマフクロウが生息しているのはどんな環境?
シマフクロウは、川のそばにある森の中にいます。
シマフクロウが生息しているところには、
決まって川が近くにあります。
フクロウというとネズミをたべるものが多いのですが、
シマフクロウは魚を食べて生きています。
ここが、普通のフクロウとは少し変わったところ。
世界のフクロウの中で、最も珍しい習性です。
オショロコマや花カジカなどの魚も、たくさん食べています。
シマフクロウの”地味に”人間味のあるエサのとりかた
エサとなる魚を、シマフクロウはどのようにとっているのか?
捕食の仕方も、他のフクロウとは変わったとりかたをしています。
高いところから飛び込んで獲物を捕らえると思いがちなのですが、
シマフクロウはちょっと地味なとりかたをしているんです。
そのとりかたとは…
川のそばの木の上にとまって、魚が来るのをずっと待ち
魚が来たと思ったら飛び込んで足でぎゅっと捕まえます。
思ったよりも、人間味のある捕まえ方ですよね?
どうしてもイメージ的には、空からバタバタとはばたいて
バシャッ!と水しぶきをあげながらエサをとるのかなと
想像する方もいらっしゃるかと思うのですが、そうではありません。
川のそばの木に止まって魚が来るのをじっと待って、
魚が来たら川の浅瀬でエサをとるということなんです。
確実にとっていくタイプですね。
シマフクロウの寿命は?
シマフクロウの寿命、みなさんは何年くらいあると思います?
結論からいうと、かなり長いです。
30年、40年は生きているのではないかといわれています。
20年ぐらい生きるものもいれば、30・40年も生きる
シマフクロウもいるとか。
鳥の中では、かなりの長寿ですね。
研究からわかった、北海道とロシアのシマフクロウの違い
ここまで、シマフクロウの生息地や寿命などをお伝えしてきましたが…
ここからは、その他のシマフクロウの体の特徴について
お伝えしていきます。
シマフクロウは北海道だけでなくロシアにもいます。
北海道のシマフクロウとロシアのシマフクロウは
かなり違うということが、最近の研究でわかってきました。
見た目や鳴き声もかなり違っています。
ロシアのシマフクロウはなぜか後頭部だけが羽が白いんです。
なぜ後頭部だけが羽が白いのかは、不明。
さらに、鳴き声も違います。
鳴き声が違ってしまうと、
デュエットが成立しない可能性が出てきます。
なので、北海道のシマフクロウとロシアのシマフクロウを
一緒にしても、ペアにはなってくれない可能性も…。
という感じで、北海道のシマフクロウとロシアのシマフクロウが
結構違うのではないかということで、DNAを調べてみることに。
すると、50万年ほど前に北海道のシマフクロウと
ロシアのシマフクロウがわかれたことが判明しました。
DNAを調べただけで、
そんな昔のことまでわかるなんて…すごいですよね!
どれほど遠いのかというと、
ヒグマとホッキョクグマよりだいぶ遠い関係なのだとか。
ヒグマとホッキョクグマより遠いって…かなり遠いですね。
北海道とロシアだったら、飛んで行き来できるんじゃないかと
思ってしまいますが、行き来はしていないようです。
北海道のシマフクロウとロシアのシマフクロウは意外と違う。
それが、わかってきたということなんですね。
まとめ
今回のポイントは、名前でした。
エゾシカ、エゾリスなど北海道だけに生息している動物は名前にエゾがつくことが多いですが、なぜシマフクロウにはついていないんだろう?と思っていた方も多いのではないでしょうか。
ですが、シマという言葉がまさに北海道を表していたんですね。
北の大地の雄大さにふさわしく、大きさは世界最大級のシマフクロウ。
生態も個性があることを教えてもらいました。
次回は、シマフクロウの住宅事情についてお伝えしていきます。