みなさん、こんばんは。
愛原 夢音です。
今回は、Sparkle Speakerから。
聞くとためになる、役に立つという情報をその道の
スペシャリストにお話をお伺いしています、Sparkle College。
ゲストは、ファイナンシャルプランナーで
社会保険労務士の川辺紀子さんです。
今回は、男性の産休・育休のお話です。
Contents
産休と育休がどんな制度なのかをおさらい
先週、厚生労働省労働政策審議会の分科会が開かれました。
そこでは、男性の育児休業について具体的な提案が行われました。
それが、一部ニュースにもなりました。
「男性の産休・育休について?なんか新しい制度ができそうな感じなの?」
と思う方も、いらっしゃるかもしれません。
実は、この分科会で提案された内容は来年には
法律化される可能性もあるんです。
…ということで、男性の産休・育休の話をする前に、
“産休と育休とはそもそも何なのか“から解説していきますね。
産休ってどんな制度?休める期間や注意点
まずは、産休から。
これは、正式に言うと産前産後休業。
労働基準法に基づく出産の前と後の女性、つまり
母体のための休業ということですね。
期間は原則、出産以前の6週間。
双子以上の場合は14週間ですが、基本的には6週間です。
この6週間に加えて出産後は8週です。
ちょっと長いですね。
産休は、6週と8週です。
ですが、この6週と8週の産休、
ずっと休みというわけではないんです。
出産以前に関しては、本人が
「働きたい!」
という意志を持っていれば、会社は働かせてもOKです。
ところが!
ここから先が重要です。
出産後の8週間の休みのうちの、6週間。
この期間は、本人が希望したとしても会社は絶対に
仕事をさせることはできません。
ただし、子供が生まれて6週間が経って医師が認めた業務に
関してはOKということになっています。
つまり、産後の6週だけは本人の希望があっても医師が良いと言っても、
会社は絶対に休ませなければいけないということです。
産後6週というのは、母体にとってとても大切な期間ですからね。
男性なのに産休!?その内容とは
そして、ようやく男性の産休のお話。
「ちょっと待って。母体にとって大事だってことはわかったけど…
男性の産休なの?男性の育休じゃなくて?」
そう思っている方は、たくさんいらっしゃると思います。
今回話題になっているのは、まさにそこなんです。
先週開かれた、厚生労働省の労働政策審議会の分科会。
ここで厚生労働省が言い出した話に、新しく
“男性の産休”というのが登場したんです。
その内容というのは…
子供が生後8週が経過するまでの間、
男性産休を取得できるというもの。
しかも、休みを取る2週間前までに申請すればOKですよと
いうことになっています。
出産した女性だけではなく、男性にも新しく産休という
制度ができそう、ということなんです。
母体保護ももちろん大事なことなのですが、
産休・育休を取る時代になってきているということ。
これが、来年に決まるかもしれないということです。
来年の注目事項ですね。
育休とはどんな制度?期間はどれくらい?
そして、次は育休です!
“そもそも育休とは何なのか“から話を進めていきますね。
育休は、育児休業です。
こちらは、労働基準法ではなく、育児介護休業法に基づき
休みを取ることができる制度。
この制度は、最初から男女ともに取得可能です。
期間に関してはいろいろあるのですが、原則的には
1歳未満の子を育てる従業員が申し出ることで取得可能となっています。
男女ともに申し出さえすれば、原則子供が1歳になるまで
休めますよ〜ということです。
低すぎる日本の男性の育休取得率に厚生労働省が動いた
すでに男性の育児休業は取得できるわけですが…
その取得率は非常に低いです。
みなさん、日本の男性の育児休業の取得率、
どのくらいだと思いますか?
2019年度のデータでは…
7.48%にとどまっています。
これ、低いのか高いのかよく分からない方も
いらっしゃるかもしれませんが、これでも上がった方なんです。
以前は、男性の育休取得率、1%くらいだったんですよ。
かなり違いますよね。
それほど、育休を取る文化が浸透していないということです。
厚労省は、この取得率を2025年までに30%までに
持っていきたいんですって。
7.49%→30%
これ、かなり高い目標ですが…実現できたらすごいと思います。
Co₂排出削減のために掲げた目標並みに、高い目標です。
多くの人が勘違いしている男性の育休「義務化」その対象者は
ここで、先週厚生労働省の労働政策審議会の分科会で
話し合われた内容に話を移しますね。
この内容、実は多くの方が勘違いしています。
もしかしたらあなたも勘違いしてるかもしれません…。
というのも、一部の新聞で報道された中身を読まずに
見出しの部分の一部の言葉だけを見て、誤解がどんどん
広がっていっているというわけなんです。
その誤解が広がった文言、そしてその誤解が広がった理由。
みなさん、何だと思いますか?
それは、新聞の見出しにあった「義務化」という言葉です。
男性育児休業のニュースに、「義務化」という言葉。
義務という言葉が出たら、男性も”休まなきゃいけない”と
思ってしまいますよね。
確かに、見出しにそのワードが書いてあって誤解する
気持ちもわかるのですが…全く違うんです。
絶対休まなきゃいけない、というわけではないんですね。
それでは、何が「義務化」なのか。
これは、会社が育休の対象者の男性、要するに
お父さんになった人に対して
「あなたは子供が1歳になるまで育児休業を取れるんですよ」
ということを書面などで伝えることが、会社の義務。
会社が育休を取得する人たちに対して行う義務、ということです。
それを誤解して男性も絶対に休まなきゃいけないと
思っている人も多いようです。
会社の義務としては、ただ伝えるだけでいいということで…
わりと簡単なことですよね。
要するに、ただ言えばいいってことですからね。
紙を渡すなどで対象者に伝えなかった場合は、
会社名を公表することになっています。
ただ義務としては、伝えるだけ。
そんなことで、男性の育児休業の取得率が上がるのか?と
いうことは私も疑問に思います。
会社の上司や同僚が「休んでもいいよ」と言ってくれるような
雰囲気にならない限り、書面で通知してもスルーされる
可能性は十分ありますし。
なかなか、難しいというのが現状です。
育休対象者になった男性も休みたくないなという場合だけでなく、
女性側も夫に育休を取得してほしいのか、という問題もあります。
これは人にもよりますし、夫婦にもよりますから
難しいところではあります。
育休を取得して家に夫がいる方が負担になる方も、
いらっしゃいますよね。
もちろん、そうでない方もいらっしゃいますが。
…ということで、今後は、この流れが発展して男性が育休を
取得しなければならない時代が近い将来、来るかもしれません。
男性の育休取得率を上げるには、男性、女性双方の意識が大事
日本には、まだまだ女性が家事や夫の世話をするべきだという
文化が根強く残っている感じがします。
家事や洗濯、料理を積極的に行う”主夫”が
徐々に増えてきてはいるものの、
やはり家事や料理などは女性がやるものと
思っている方はまだまだ多いです。
最近は、料理が得意で自炊している
料理好きの男子も増えたように思いますが、
それでも家事=女性という文化は根強くあります。
川辺さんは、
「女性は早い段階から、文化として男性の世話をするという
雰囲気を壊していかなければならない」
と話します。
そうでもしないと、育休男子の世話をするのは当たり前という
状況になってしまいますからね。
女性側の意識を変えるということも重要ですが、
男性も、家事・育児をやるのが当たり前という
意識を持たないと、
「あなたがいない方が楽」
と言われてしまうこともありえない話ではありません。
女性は、育児だけでも大変なのにさらに家事も
こなしていかなければいけない。
それなのに、夫が家事を少しも手伝ってくれない…
となると、夫婦関係にも溝ができてしまいかねません。
そうならないためにも、家事の分担をどうするか
しっかりと話し合っていく必要があります。
”イクメン”という言葉から感じる、男性が育児をする特殊性
厚生労働省は、男性の育児休業を広げようということで、
「イクメンプロジェクト」をつくって男性の育休取得率の
上昇に努めています。
ですが、この”イクメン”という言葉。
あちこちで使われていること自体が、男性が育児する特殊性を
表しているように思います。
”男性が育児することは珍しい”
”男性が育児をがんばっていて偉い”
というニュアンスも含まれているような感じが、
”イクメン”という言葉からしてしまいます。
悪いことでは決してないのですが、
そういう考え方が根幹にあるのではないか、と。
イクメンイクメンと言われていても、
実際は全く違ったというケースもありますしね。
理想的なのは、男性の育児休業が普通に定着して
みんなが幸せになる休みになること。
でも、そこに到達するにはまだまだ時間がかかりそうです。
会社の空気感や雰囲気によっては取得しづらい環境も
未だにありますし、夫婦が家事や育児をどういう負担で
分担していくかということも、お互い話し合っていくと
いうところもありますから、男性の育休率アップには
時間がまだまだかかりそうです。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました!
次回もお楽しみに…♪