みなさん、こんばんは。
愛原 夢音です♪
今回は、世界のあこがれ〜北海道ブランド〜から。
今回のテーマは、除雪車などの冬季作業車両。
雪国のライフラインを守るために欠かせない
除雪車などの冬の働く車たち。
今、札幌で製造された除雪車が国内はもとより
海外でも活躍しています。
前回に引き続き、札幌の製造メーカー株式会社NICHIJOの
営業企画部企画推進課チームリーダの佐藤玲さんに
北海道生まれの冬季作業車両について伺います。
ポイントは、進化。
何がどのように進化するのでしょうか?
みなさんも一緒に考えてみてくださいね!
Contents
冬季作業車両の開発から生産は全て札幌で
株式会社NICHIJOでは、設計開発から生産まで全て札幌で
一貫して行っています。
生産は、手稲にある工場と手稲区内にある稲穂工場の2箇所。
設計から生産、販売まで全て一貫して行うことで、
ユーザーのニーズを敏感にキャッチして製品へと
展開しているのです。
しかしながら、冬季作業車両の1台1台はかなり大きいものです。
それらをつくっている敷地もかなりの広さ。
車両置き場のスペースを広げながらやっているので、
かなりギリギリのスペースで作業を行っているとのこと。
そこを目いっぱい使って、ということなんですね。
こういった作業車両、1つの機種をつくるのにかかる時間は
どのくらいなのでしょうか?
着手から試作などを経て、正式リリースまでには
1〜2年ほどかかるものもあります。
試行錯誤しながら製品を完成させていくということなんですね。
進化するロータリー除雪車 衛星を使用した自動制御の開発
近年、ロータリー除雪車は急速に進化してきています。
排気ガスなどの環境性能が向上しているのはもちろんですが、
最近では準天頂衛星を使用した自動制御技術の開発が
進められています。
乗用車のような完全自動運転はまだ先になりそうですが、
オペレーターの省力化を目的とした半自動化や
アシスト機能などは既に投入されてきています。
準天頂衛星を使ったを使った自動運転システムとは、
どういったものなのか。
これは簡単に言うと、衛星から車両の位置を監視して
コーナーがきたら自動的に角を曲がったり、
雪を落とす最適な位置を狙って、自動制御で
車両を動かしたりといった開発が現在進められています。
つまり、そういった情報をさらに衛星から発信して
もらえるということなんです。
作業を指示するというよりは、
位置を把握した上で自動制御を行うというもの。
まだ本格的な運用は行われていませんが、乗用車の
自動運転のような自動制御を目指して開発が着々と進められています。
除雪の作業は、一般の道路を作業するときは
細心の注意を払っての作業となります。
そういったことを少しでも楽にできる。
そんな進化が、どんどん進んでいっているんですね。
全国の雪に対応する除雪車へ テスト運転の場所もこだわりが
雪道の除雪には欠かせない除雪車。
そのテスト運転はどこで行っているのでしょうか?
株式会社NICHIJOには専用のテストコースがあり、
通常はそこでテスト運転が行われます。
しかし、新製品の開発段階ではなんと…!
新潟県内の冬季閉鎖道路を借りて試験チームが泊まり込みで
性能試験を行います。
そして、最後は全員真っ黒に日焼けして帰ってくる。
株式会社NICHIJOの中でも、
これはビッグイベントになっているようです。
わざわざ新潟県まで行くところがすごいですよね!
新潟県は、北海道の雪と違って重そうな雪が
たくさんあるイメージがあります。
北海道の雪はさらさらとした雪なので、全国の雪に
対応することが難しくなってしまいます。
そのため、新潟県の重たい雪で実際に全国どこでも
雪を積めるようにしっかりと試験を行っています。
どんな雪質にも対応できるように、ということなんですね。
冬季作業車両だからこそ苦労する点
冬の作業車両だからこそ、
技術開発に苦労する点はあるのでしょうか?
重要なライフラインである交通の維持を担っているので、
冬季作業車両の故障で道路を閉鎖するわけにはいきません。
耐久性や整備性には十分に気を配っています。
また、万が一にもトラブルの際には
万全のサービス体制を整えています。
本格的な積雪を迎える前に絶対に納品しなければなりませんので、
当然、納期は厳守しています。
現在は、出荷のピークです。
除雪する雪の量は、一般的な市街地用では175cmほど。
男性の背の高さほどですね。
オプション装備を追加することで、
さらに高く雪を積み上げることもできます。
市街地でも雪の多い地域、
特に山間部ではかなりの高さになると思います。
そういったところになると、
かなりの雪を除雪しなければなりません。
山岳部では通常自動車が走っているところは問題ないのですが、
冬季閉鎖になるような道路では除雪を行わないと
雪が積もりっぱなしになります。
そうなると、道路全てが埋まってしまいます。
中には2m以上積もる場所もあるので、そういった場所では
少しずつ雪をくずしながらロータリー除雪車も使って
道を開いていくことになります。
わずか7秒で⁉ダンプのトラックが満杯になるほどの高性能除雪機
除雪された雪はダンプにどんどん積み込まれていくわけですが、
ダンプ1台に雪を積み込む速さは一体どのくらいなのでしょうか?
使用する機種やオペレーターの熟練度にもよりますが、
10秒ほどでいっぱいになってしまうんです!
しかも、株式会社NICHIJOの主力ラインナップ、
HTR308Aという型だと約7秒でダンプが満杯になってしまいます。
みなさん、どうですか?
わずか7秒ですよ?
よく、雪をいっぱいに詰め込んだダンプが道路を
走っているのを目にすることがありますが、
あれだけの量をたった7秒で積めてしまうということですから…
それだけでも、すごいですよね!
この冬季作業車両を運転するには、大型特殊免許や
大型自動車免許が必要なものがほとんどです。
ですが、最も小型の歩道用ロータリー除雪車は
普通自動車免許でも運転できます。
除雪車や凍結防止剤散布車のノベルティーが手に入る?
スタジオには、とっても小さなロータリー除雪車を
持っていただきました。
これは、マグネットになっています。
株式会社NICHIJOではこういったミニチュアは
製作していないのですが、ノベルティーとして販売しています。
株式会社NICHIJOのホームページ限定で
40分の1スケールのミニチュアモデルやチョロQも販売。
トミカにもなっているので、チョロQは
おもちゃ屋さんでも購入することができます。
ちなみに、マグネットはロータリー除雪車だけでなく
凍結防止剤散布車もあります。ミニチュアの中では
なかなか珍しいものなので、ぜひみなさんも
確認してみてください!↓↓↓
海外からも注目されるNICHIJOのロータリー除雪車
株式会社NICHIJOのロータリー除雪車などの車両は、
数は多くありませんがロシアやパキスタンなどの
海外にも輸出されています。
そういった地域と日本とでは、雪質が全く一緒ではありませんが
海外でも株式会社NICHIJOの製品は大活躍しているそうです。
株式会社NICHIJOの製品は、国内外から高評価を得ています。
ロシアでは、ロータリー除雪車の一般保証として
HTRという固有の名前が既に浸透しているようです。
冬季作業車両は、夏の間何をしている?
冬の間に大活躍をみせる冬季作業車両は、
夏の間どうしているのでしょうか?
冬季作業車両の多くは、次の冬に向けて整備を行っています。
アタッチメントを交換すれば、冬季作業車両は
草刈車や路面清掃車、排水ポンプ車に早変わり。
冬の間は全く出番がない、というわけではないんですね。
現在、株式会社NICHIJOでは災害時の電源供給車としても
使用できる製品の開発の真っ最中。
ただメンテナンスしているだけではなく、雪のない間も
いろいろと活躍できるようにしようと新しい取り組みも
行われているんですね。
ここまで、北海道の冬季作業車両についてお伝えしてきましたが
みなさん、いかがでしたか?
今回のポイントは、進化。
ロータリー除雪車をはじめとした、株式会社NICHIJOの冬季作業車両。
環境性能の向上や衛星を利用した自動制御技術と変化していますが、
草刈り車、路面清掃車、排水ポンプ車としても活躍。
さらには、災害時の電源供給車として機能できる製品も
現在開発中…ということで、雪のない季節にも
活躍できるように進化は続いていっているんですね。
ますます進化する冬季作業車両の行方にも注目していきましょう!
ここまでお読みくださり、ありがとうございました!
次回もお楽しみに…♪